それは1通のメールから始まりました。宇佐市内の方がボランテイァで地元の山を整備しており、HPを見ている内に、当HPを見たので整備している登山コースを紹介して欲しいという内容でした。どのような内容で掲載するかメールをやりとりしているうちに、個人的に心の中に火が着きました。 この妙見山から高山の縦走に関しては以前から構想がありましたが、「これは、行けると」感じたのは、昨年、高山のきちんとした登山道を見つけてからです。問題は石井山から高山の途中でしたが、メールの中でこのあたりも整備しているとのことだったので、縦走できることを確信しました。 今回の報告にあたりHP用に再度写真を撮ろうと思っていましたが、ちょうどデジカメが風邪を引いてしまったので、修理が終わってからと考えていましたが、携帯のデジカメも200万画素あるので、これでもいけるかぁ、と思い携帯にSDカードを入れて今回の山行に臨みました。 しかし、そこは携帯のデジカメ。いつも持っているような広角が得られないので、思ったような画像というか雰囲気が出ませんでした。また、天気予報は晴れだったのにも関わらず、結局、雨が降らなかったものの、ずーっと曇りでした。 ただ、空気の透明度は良かったのか、久住まで見えました。 さて、本題ですが、数年ぶりに歩くコースも多かったのですが、香下ダムのバックウオーター付近の登山口から登り、まずは妙見山に登り高山までの縦走路を歩く、結構長丁場です。全行程は距離で約10kmですが、アップダウンが大きくGPSによる累積標高差は1450m、過去の実績による補正係数をかけても1200mを越えるものとなりました。 全体の感想として、それぞれ単独の山としても十分個性がある山であるのに、これが一気に縦走できることもあり、なかなか歩き応えのあるコースです。しかも、いつも大量の人が登っている山ではないので、立派な登山道ではありませんが、歩くには支障がなく、なおかつ野性味溢れ、藪こぎちっくで申し分ない内容であります。 縦走とは言え、登っては急降下し、急降下しては里山特有の急斜面を直登の繰り返しで結構体に応えます。特に、ロープや立木に掴まって歩くため、翌日は足は当然のこと、肩や腕が今までに無いくらい凝っています。 【再踏査 2007.4.28】 前回、天気が今一つでカメラも故障していたこともあり、以前から天気が良くなったっ時に登ろうと思いつつ、他の方についつい触手が出てしまい、ようやくこの時期になってからの再踏査となりました。コースは前回と同様で妙見山から高山を目指しました。特に理由はありませんが、最後に高山の山頂でのんびりしたいからです。高山は森林環境税を活用して看板などが整備され、山頂も一部木が切られ見晴らしが良くなっています。お勧めは細長い山頂の北端です。今回も山頂でおにぎりとフルーツ缶詰を食べ、一人で悦に入っていました。GWなのでひょっとしたら誰か登っているかなぁ、と思いましたが、本日は一人きりでした。しかし、石井山の急斜面を下っている時、足元から突然ウリ坊よりも大きいイノシシの子ども6頭(多分)が一斉に走り出し、ちょっとびっくりしました 踏査結果は前回とほぼ同じ距離、累積標高差、時間でした。ただ、気温も前回より高いということもあり、スポーツドリンク3本(500ml)を飲み干しました。今からの時期、暑くなるので本来里山のシーズンとは言えませんが、水場がない本コースを縦走する際は最低でも水を2リットルは準備しておいた方が無難のようです。それと、前回と同じですが鬼落山下り辺りになると親指の付け根にマメが出来そうになります。何故?としばし考えましたが、鬼落山への登りが急登のため、つま先立ち状態で登るためのようです。 里山特有の直登、直下のアップダウンなのでこれを楽しむつもりで歩かないと苦しいだけの縦走になります。また、本コースは樹林帯の下を歩く時間が長いのですが、祖母傾に慣れてくると、これはこれで気持ちよく感じるとともに時折景色の良いばしょでは感動が新たになります。 【2回の踏査結果の要約】 ・下記地図の「妙見山登山口」から登り「高山登山口」まで歩きました。 ・登山道は目印が有るので迷うことは無いと思います。ただし、石井山から高山の間は少し分かりにくいので、 迷ったと思ったら目印のビニルテープを探して下さい。 ・ビニルのトラロープを握ることが多いので滑り止めの付いた手袋がお勧めです。 ・低山と言え結構ハードなコースなので、エスケープを考慮した計画をお勧めします。 ・あまり休憩なしで6時間以上かかったので、人数、昼食、休憩等を考えると8時間程度を見ておきましょう。 ・個人的な感想としては尾平から祖母山に登るのと同じかそれ以上の疲労感です。 ・登った高さ 1200〜1300m、 歩いた距離 10.5km(前回のデータも参考)、 詳細は別表を参考にしてください。 ※最近は高尾山支城跡のピークを加え、「宇佐7山」とも呼ばれています。 |
※赤のラインは当日歩いたルート、黒のライン、枠内が水色の表示はエスケープ場所となります。 「ロープ有」以外の場所でも要所にはロープが設置されています。
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出発地点 | 到着地点 | 所要時間(分) | ||||
1回目 | 2回目 | |||||
妙見山登山口 | → | 妙見山 | 40 | 45 | ||
妙見山 | → | 石山 | 80 | 85 | ||
石山 | → | 鬼落山 | 90 | 90 | ||
鬼落山 | → | 高山 | 80 | 95 | ||
高山 | → | 高山登山口 | 30 | 35 | ||
合計 | 320 | 350 | ||||
行 動 の 概 要 | 備考 | |||||
1回目 | 登った高さ 1,200m位 歩いた距離 10.8km 荷物 10kg 休憩を含む行動時間 400分 |
赤テープの補強と記録を取りながらの移動のみの所要時間です。 |
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2回目 | 登った高さ 1,200m位 歩いた距離 10.6km 荷物 18kg 休憩を含む行動時間 430分 |
荷物が重い分少し時間が掛かったようです。 | ||||
【考察】 実登は1,200m(GPSデータ補正済)で休憩時間含めての行動時間は、通常の荷姿であれば7時間前後。予備時間を含めて8時間で計画を立てれば良いでしょう。 途中に水場が無いので水は多めに持参してください。 |
(1) 香下ダムの流れ込みに近い妙見山登山口。 画像手前に10台程度の駐車スペースがあり、ダムの堰堤付近にトイレがあるので登り始めはこちらのの方が良いと思います。 |
(2) 画像(1)の標柱の拡大。 山頂には昔、城があったとのこと。 山頂の説明では九四〇年に藤原純友が築いたとのこと |
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(3) 射場越え。少し前までは交通の要所だったようです。 |
(4) 登山道の様子。基本的に危ない場所はありません。 |
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(5) 聖水岩。キリシタン大名・大友宗林の第3子(田原親盛)が後に城主となり、司祭ペトロゴメスを招き、香下に伝導宿泊所を設置、400名が洗礼を受けたそうです。 その時に利用したのかもしれません。 |
(6) 山頂。草は茂っていますが、結構広く、城があったせいか全体に平らです。 |
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(7) 谷山への縦走路。射場越えからすぐは少し分かりにくいですが、 少し奥へ行くと左が自然林、右が杉の植林地帯です。 |
(8) 10分も歩かないうちにガレ場というか石がごろごろしてきます。 |
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(9) 前回の時には無かった看板です。 |
(10) 谷山の三角点(?)で、近くの木に左の看板が掛けられています。 |
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(11) 谷山からの下り。急斜面でロープには助かります。 |
(12) 谷山と石山の鞍部の尾根。見晴らしの良い場所ですが、夏は少し暑いでしょう。地図の「景色良好な尾根」地点です。 |
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(13) (12)の尾根から。真ん中の奥にちょこんと見えるのが鬼落山の山頂です。 |
(14) 北側に見える麦焼酎「いいちこ」で有名な「三和酒類」の工場です。 |
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(15) 石山の斜面の新緑。 本物はもっと眩しく、綺麗です。 |
(16) 尾根を過ぎるとまた林の中に戻りますが、気持ちよい登山道です。 |
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(17) 石山山頂手前、石柱「一八二」です。ちょうどT字路状になっていて、 右に行くと石山山頂、左に行くと鬼落山方面への道です。 ここから、鬼落山方面は少し間違いやすいのでテープを見落とさないように注意しましょう。 |
(18) 妙見山から登ると数字を書いた面が正面に、逆から登ると右面になります。 |
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(19) 以前は看板なんて無かったのに・・・ 三角点がきちんとあれば、それか看板は1枚あれば充分と思うのは自分だけでしょうか・・・、 |
(20) 石山から下る途中で残りの3山が見えます。結構遠い・・・ |
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(21) (20)から数分下った左側には「香下ダム」方面の景色が良く見える場所があります。 |
(22) 偶然のなせるワザでしょうか・・・ この三石の石組みを過ぎるとすぐに(23)地点です |
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(23) 石に「→」が書かれています。素直に従いましょう。 |
(24) 仮称:石山峠 |
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(25) 石山峠から鬼落山への登山道。最初は快適です |
(26) 次第に道は厳しくなり、大きな石の間を両手、両足を使って登るような場所もしばしば。 |
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(27) 鬼落山山頂。景色は望めませんが木陰が多く今からの時期はむしろありがたく感じます。 |
(28) 鬼落山から石井山に向かう途中2ヵ所ほど見晴らしの良い岩場があります。季節の良い時期であれば休憩には良い場所です。 |
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(29) 石井山への登山道。途中の斜面にはタツナミソウの群落が満開状態でした。 |
(30) 石井山山頂。 少し手前に景色が良い場所があります。 |
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(31) 高尾山支城跡。 |
(32) 三井戸。地元小学生の登山会などの行事があったことから今まで無かった看板が設置されています。 |
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(33) 高山山頂。巨石が出迎えてくれます。 ここまでの登山道は直登コースが改善され登りやすくなっています。 途中からは本日歩いてきた山々を振り返ることが出来ます。 |
(34) 山頂北端。 ここまで来ると歩いてきたなぁ、と。 景色は良く適度に木陰がありおもわずのんびりしてしまいます。 |
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(35) 宇佐平野方面 |
(36) 八面山方面。 |
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(37) 「高山登山口1」と高山。 前回縦走し、下山してきた時に地元の方と話していたら、ここに看板が立ちますと言ってました。 ルートや歴史について説明が書かれています。また、上の「高山登山口2」には高山の歴史について書かれた看板が設置されています。 |
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