和尚山 327.3m

 以前、応利山に登った時に風の神に登る手前で気になる看板を目にしました。それは「津波戸山水月寺跡→」と書かれた看板、一瞬自分の頭の中では「へっ、ここから行けるん? 寺の離れみたいなのがこの辺りにあるんやろか?」などと勝手に想像していましたが、一度確かめてみたいと考えていました。

 ところが先日、当HPをご訪問頂いている方から、来縄山から津波戸山に歩いたとの報告、「やっぱり、本当に道があるんだぁ」と妙に納得すると同時にやたらめったら歩きたくなり、本来なら由布岳かくじゅうの雪を楽しみたい気持ちもありましたが、今回はこちらの誘惑に負けてしまいました。
 頂いたメールには「ルートはかなり消滅状態でした」との一言があったので、今回初めて「ナタ」を持って山に入りました。ナタと言っても重たいと邪魔になるので刃渡り165mmの小ナタです。

 まずは「来縄山」に登ります。登山道は途中までは応利山と同じで、「報恩寺」を過ぎ「風の神」の入り口を南に曲がります。現在、ここまで林道が開設されていて以前とはずいぶん景色が変わっています。少し手前に例の看板があり、それを過ぎると右に降りていく石段があります。
 来縄山までは道は明瞭で特に迷うような場所はなく、心地よい縦走路です。途中、右側に「石山」があったりします。最初はゆっくりのぼりますが、山頂まで10分程になると石があり急登になり、ちょっとあえいで山頂です。下の駐車場を出発して50分で到着、山頂には三角点と看板が数枚設置されています。

 今回のメインディッシュは今からですが・・・どちらに向いて歩けばいいのやら。この時点で「消滅状態」です。この縦走路の特徴ですが、それぞれのピークは少し開けていますが、どちらに進んでいくのかが解りにくいのです。
 一応、地図とGPSのコンパスで方向を定め藪の中へ一歩を踏み出しました。風倒木を越えると弱い踏み跡があり時折、昔付けられたテープがあります。それと、今回一番頼りになったのは、市町村界だと思いますが国土調査の「赤い杭」です。これと地形と地図とGPSを頼りに尾根を歩いていきます。
 
 「471m」地点には「石柱」がありここを過ぎると登山道もかなり歩きやすくなります。ここは登る時はさほど感じませんが、下る時は見過ごしてしまいそうになります。ここだけは大量のテープが巻かれているので見落とすことはないと思いますが・・・下る時は右折する感じになります。山頂に近づくと広場があり良く見ると桜の木が結構多く見られます。東峰はその奥にひっそりあり、東峰からは「津波戸山」方面に向かって目印があります。休憩は手前の広場がお勧めです。

 最後になって、こんな事を書くのも何ですが、津波戸山東峰を始めこのルート99%景色は望めません。普通、縦走路なら1箇所くらい景色が開ける場所があるのですが、このルートは全線眺望が得られません。逆に言えば人の手が入ってないということかもしれません。途中、木々の間から覗いて下さい。
 そんなことで、登っていても津波戸山は見えませんから、本ルートの縦走を解りにくくしていると同時に、地図とコンパス、国土調査の杭が頼りになります。それだけに縦走の達成感もひとしお大きく、昔はここから津波戸山水月寺まで参拝に出かけていたのかなぁ、と思いを馳せるとそれなりに充実感を感じた縦走コースでした。

以下、留意点等
 @赤テープの目印ををかなり充実したとは言え不十分です。縦走する際は読図に慣れた方、藪こぎが得意な方と同行の上、ご本人の責任において歩いて下さい。
 A自分があるいた範囲ではロープを必要とするような危険な場所はありませんでした。

  登った高さ 700m位   歩いた距離 8.4km  
  時間 5時間(ただし、赤テープ、枝打ち作業含む) 従って、ルートが明瞭になれば3〜3.5時間程度では。

  
  ア  ク  セ  ス
@応利山に向かって登り、報恩寺を過ぎて右折します。

よっちゃんの独断と偏見きわまるルート評価
総合
評価
登山道 標識 山道
展望
山頂
展望
自然 被写体 体力 携帯 GPS 駐車場 ロープ 赤テープ
2〜3 不要
 @藪こぎを楽しむ方には総合評価「5」で提案します。
 A逆に普通に整備された道を楽しまれている方には総合評価は「2〜3」位でしょう・・・


 出発地点  到着地点 所用
時間

(分)
 1.駐車場  2.縦走路入口 20
 2.縦走路入口  4.来縄山 25
 4.来縄山  8.石柱「四六」 70
 8.石柱「四六」  9.津波戸山東峰 30
登り 合計 145
 ※参考 下り  
 9.津波戸山東峰  4.来縄山 85
 4.来縄山  1.駐車場 35
下り 合計 120
@ 作業しながらの時間なので目印などが充実すれば、2/3程度の時間になると思います。
A 「7.ぬた場」には水が溜まっていました(画像15)。ここを過ぎて尾根に上がると風倒木が多く、少しルートが解りにくい場所です。
B 「8.石柱「四六」」を過ぎると道が落ち着いた印象です。
「9.津波戸山東峰」から、三角点のあるピークに向かって目印があります。

 (1)
 報恩寺の上。左が風の神、応利山方面。右が来縄山方面




  (2)
 この看板が今回の火付け役。

 (3)
 風の神入り口の正面にある石段が入り口です。



  (4)
 低山、里山にもかかわらず気持ちよい縦走路です。


  (5)
 目印となる市町村境の目印。




  (6)
 途中、右側に石山があります。

 (7)
 来縄山への縦走路。




  (8)
 来縄山手前。10分程急登が続きます。
 
 (9)
 来縄山山頂。景色はありません。ここまでは迷ったり、藪こぎすることはありません。




  (10)
 縦走路は赤い点線の方角へ。右下の○が三角点、左上の小○が山頂看板。


 

 (11)
 比較的歩きやすい場所。




  (12)
 でも、こんな場所も。

 (13)
 石に「五六」と彫られています。




  (14)
 地図の「6.石柱」のあるピーク
  (15)
 水が溜まっていました。ぬた場でしょうか・・・



 
 (16)
 一番、目印が多かった場所。通過して振り返ったところです。
下る時は、ここを右折します。 

 (17)
 (16)を過ぎると、すぐに「四六」と彫られた石柱があり標高「471m」地点のようです。




 (18)
 山頂手前の広場。結構広く桜の木が多いです。

 (19)
 津波戸山東峰、540m。景色がありません。



 (20)
 本日、活躍した「小ナタ」(刃渡り165mm)と1巻き20mの赤テープ。