我が家からは他の山に遮られて見えませんが、宇佐平野からはほとんどの場所から見える、どっしりした印象を受ける山です。当初は宇佐市の山の一つぐらいの認識しかありませんでしたが、地元新聞によると、山頂に江戸時代に建造された烽火(のろし)台があるとの内容が掲載されていました。 調べてみると江戸時代末期に黒船来襲に備えて幕府の命令で作られたようです。今で言うと、緊急事態ネットワークみたいなものです。発信元は長崎で、そこから4里毎に烽火台が設置され、緊急事態が伝達されるシステムのようです。 とりわけ、宇佐市院内町の大蔵山の烽火台の規模はかなり大きいとのこと。それなら一度登ってどんなものか見てみたいと思っていました。しかし、里山であまりメジャーではないことから、ゴールデンウイークあたりまでがリミットかなぁ、と考えそそくさと出かけました。 途中、北山地区で地元の方に情報を聞いて、とりあえず峠まで行ってそこから尾根伝いに登れば良さそうということを確認し、駐車に適当な場所があったので、そこに車を止めて歩き始めました。 尾根道までは正直言って、少々藪こぎです。目印はぼちぼちあるので見落とさないようよう歩きます。また、川の横に登山道がある場所は川に落ちないように注意が必要です。途中「火の用心 ○○m」の表示がありますが、これが山頂への距離なので道しるべとしても重要な役割を果たしています。 尾根の手前になると急に開けてきて、テントを数張り貼れるくらい(こんな所でテントを張ることは無いと思いますが・・・)広々としています。ここから峠まですぐで、峠には境界の石柱が立っています。峠からはひたすら山頂を目指しますが、踏み跡は比較的明瞭で、目印もあるので精神的には楽に歩くことができます。 山頂手前には北山地区にある神社の元宮があります。看板には「北山山神社元宮」と書かれています。ここから、山頂までほとんどフラットです。で、山頂からは、木立の合間から景色もそこそこに見えます。 さて、烽火台は? と思いながらふらふらしていると、山頂のすぐそばに大きな井戸が?・・・ で、覗き込んでみると深さ5m程度、直径3〜4mの石積みの建造物があり、ロープが設置され中に降りることが出来ます。中に降りて見ると看板(本来は上にあったものが下に落ちたようです)があり 「大蔵山烽火(ほうか、とぶひ)台跡 文化二年(1805年)九月に築く 狼煙(のろし)台ともいう」 と書かれています。また烽火台の底の一方には穴があり空気を供給するためのようです。 山頂に到着した時点で烽火台の場所を認識していないと、烽火台(穴)に落ちて怪我をする可能性があります。登られる方は三角点近くでは注意して下さい。烽火台は三角点の「大蔵山」の看板を見て、すぐ左側にあります。いずれにしても一見の価値はある史跡と感じました。(2006.5.6) |
ア ク セ ス |
@国道10号線の法鏡寺交差点を南(院内町方面)に向かい、宇佐別府道路入り口手前を東に入ります。 A宇佐別府道路を「院内IC」で降り、右折、100m程度行き右折(東へ)します。 B、@Aの後、橋を渡りすぐに左折するとほぼ一本道で北山地区の奥が登山口になります。 |
総合評価 | 登山道 | 標識 | 山道展望 | 山頂 展望 |
自然 | 被写体 | 体力 | 携帯 | GPS | 駐車場 | ロープ | 赤 テープ |
3 | 2.5 | 4 | 2 | 3 | 3 | 3 | 2 | 4 | 3 | 3 | 不要 | 4 |
・山としての評価は別として、歴史遺産を見るという観点で評価したい山です。 ・峠までは赤テープを活用かつ補強したくなるようなルートです。 |
地図の中の(番号)は、下の画像の番号の場所を示しています。 |
出発地点 | 到着地点 | 所要時間 (分) |
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登山口 | → | 峠 | 45 |
峠 | → | 山頂 | 20 |
記録を取りながらの所要時間です。藪こぎが無く、目印が充実すると1時間かからずに登ることができると思います。 登った高さ 400m位 歩いた距離 4.2km |
(1) 国道387号線から東に曲がったところです。橋を渡ってすぐ左に曲がり(送電線鉄塔が目印)北山地区を目指します。駐車した場所まで約4.2kmです。 |
(2) 北山地区の途中で、右側に石橋「一の橋」の説明看板があります。 旧院内町は石橋の名所で、町内の至る所に看板が設置されています。 |
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(3) 一の橋です。一の橋は大蔵山山頂には元宮がある神社へ行くための橋です。 |
(4) 北山地区を抜けてガードレールの橋を渡り、直進します。 この先はダートですが、普通車でも行けます。 |
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(5) もう少し先まで車で行けますが、駐車スペースがあまり無いので、ここがベストです。普通車なら5台程度駐車可能です。 |
(6) (5)の場所からしばらく歩くと、右に堰堤がありコンクリート舗装となりますが、とても車では無理です。最後にコンクリが切れると、矢印の方へ藪こぎ開始です。 |
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(7) 石垣らしいところに出るまでは藪こぎと目印を探しながらの山歩きとなります。途中、まぎらわしい目印がありますが、とにかく、谷沿いに峠を目指します。 |
(8) 急に開けた場所に出ます。仮称「大蔵平」ここまで来ると峠まですぐです。また、木には宇佐市熊方面への看板も取り付けられています。 |
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(9) 峠には石柱があります。ここから左折してビニル紐やテープの目印があり、踏み跡も比較的明瞭です。 |
(10) あとで気が付きましたが、この看板が山頂までの距離を示しています。 この看板が大蔵山への道しるべです。 |
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(11) 山頂の手前に「北山山神社 元宮」があります。 ここから山頂まではすぐです。 |
(12) 元宮から山頂へ。 |
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(13) 山頂です。画像の左上あたりは井戸のような烽火(のろし)台があります。山頂周辺ではふざけないようにしましょう。 |
(14) 烽火台の中です。 |
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(15) 烽火台の中に降りることができるようにロープが下がっています。しっかり設置されていますが、一応大丈夫か確認してから降りましょう。 |
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