色々と由緒ある山のようです。

 先日から情報が錯綜している「栗山」の報告です。掲示板にホワイトアウトさんから「本当の栗山」と当初、栗山と報告していた山が「松尾山」であるとの丁寧な報告を頂き、本当の「栗山」に登ってきました。山頂まで15分程度ですが地元の方が登山道を始め展望台や看板、トイレまで整備されておりついつい立ち止まることが多かったです。
 途中、「膳所様」、「金比羅様」の祠があり山頂には「竜神様」の祠とその背後には巨石が天空を向いてそそり立っていて、どうやらこれが噂の「巨石」のようです。この山頂は細長い尾根となっていて尾根には岩がごろごろしています。

 ルートとしては登山口が少し分かりにくいだけで、後は迷うことはありません。また、竜王様の祠から尾根の西側にも道があるので、帰りは「竜の背」を見ながら下ると良いと思います。道は金比羅様で合流します。

 竜王様の祠の前は両戒山方面を向くと植樹やベンチ、テーブルなどが整備され、ちょうど作業されている方から声をかけられ、趣味で山を登っていることを告げると、「せっかく登ってきたんだから、自分が知っている範囲で説明しよう」と様々な話を聞くことが出来ました。その内容をランダムですが以下のとおりです。なお、聞いた話を基に自分で少しだけ資料を調べ付け加えました。

 ・山頂から尾根にある岩は人工的に集められており、山頂の祠(竜王様)、両戒山方面を頭にした「竜」で、尾根に乱立する岩は人工的に集められたとのことです。最初、登る時は良くある尾根の岩場くらいに見ていましたが、帰りに勧められたように尾根の西側を歩くと人工的に積まれたようにも見えます。

 ・栗山周辺の歴史は古く六郷満山の入り口であったらしく、2番目の祠の「金比羅様」は宇佐神宮方面を向いている。
 ・最初の祠は「膳所様」と言い、周辺の11の村が今から約200年前、文化六年(1809年)に設置。

 ・地元の庄屋の息子で長野栗山(りつざん)という画家がいて、当時の文部大臣、芳川顕正が東京美術学校の奏任(明治時代の官僚の任命形式で大臣が推薦して任命すること)教授に招かれました。教授を退任後は各地を旅し愛媛県宇和島にあった旅館「白水軒」で病となり亡くなったそうです。
 ・登山口の入口付近にある鳥居はこの長野栗山の父が嘉永七年(1854年)に設置したそうです。確か、黒船来襲に対して檄を飛ばした文章が鳥居にの柱に刻まれているらしい・・・

 ・栗山は神奈備(かんなび)山と考えられているようです。
 「神奈備」とは神霊が神留る(かんずまる)場所としての御霊代(みたましろ)を無数に擁した領域の事や、自然環境を神体とした神代(かみしろ)のひとつの在り方。

 以上、低山で三角点も無い里山ですが、興味深い山でありました。  (2011.3.12)
 
      登った高さ 100m  歩いた距離1.2km  全所要時間 30分

ア  ク  セ  ス
@国道213号を宇佐駅から豊後高田市方面に1km程の、「西木」の信号機を栗山方面に進みます。

よっちゃんの独断と偏見きわまるルート評価
総合
評価
登山道 標識 山道
展望
山頂
展望
自然 被写体 体力 携帯 GPS 駐車場 ロープ
テープ
不要 不要
歴史的な背景を含むと総合評価は「4」と感じています。
 

本日のタイムテーブル(移動時間のみ)
出発地点    到着地点 所要時間
(分)
1.登山口 6.竜王山 15
6.竜王山 1.登山口 15
  時間合計(休憩時間除く) 30
  ※参考 全所要時間 60
   登った高さ  100m位
   歩いた距離  1.2km

 地図中のは岩尾根で、下りに西側を歩くと竜の背のように見えます。
 


 (1)
 地図「0.西木信号機」から曲がってすぐの場所から。
 右端に写っているユンボ方面に進みます。

 


 (2)
 栗山方面に左折します。。

 (3)
 地図「1.登山口」
 ここに駐車します。車は5〜6台はゆっくり駐車できます。
 


  (4)
 登山口から栗山方面を眺めたところ。




 (5)
 途中の道の様子。

 


 (6)
 地図「2.鳥居」
 鳥居の柱には何やら檄文が彫られています。
 年号は「嘉永七年」となっています。
 
 

 (7)
 登山道は良く整備されています。



 

 (8)
 地図「3.展望台」
 立派な展望台が設置されていて、宇佐平野方面が良く見えます。手前にはトイレまでありました。



 (9)
 地図「4.膳所様」
 



 (10)
 膳所様の足元には寄進した村の名前が記されています。
 この9村と別の面に「苅宇田村」、「西木村」が彫られ、計11村で寄進したようです。




 (11)
 地図「5.金比羅様」
 実線が登山道。




 (12)
 山頂が近くなると、右側に大岩が目立つようになります。

 (13)
 地図「6.竜王様」
 実質山頂でもあります。説明によると○の岩が竜の頭だそうです。




 (14)
 ○は人工的な彫り込みだそうです。

 (15)
 山頂付近に直径4〜5m程の穴がありますが、これは宇佐海軍航空隊の夜間訓練用の回転塔が設置されていた跡だそうです。





 (16)
 下山時に西側のルートを下る際に見た竜の背。
 こちら側から見ると人工的にも見えました。