5月のGWも終了し世間様がいよいよ仕事モードとなり何かと行事が多い中、部下に仕事を押しつけ上司が「今度の金曜日は・・・」と言いかけると同時に、隣に座っている係長とハモるように「明日は休みます!!」と、GW中に取れなかった年休を「消化」すべく金曜日に休みを取得し「アケボノツツジ調査」することにしました。 【Part1.本日の開花状況】 1.アケボノツツジ @1,500m以下ではほとんど終了、見頃は1,600m以上で各山頂周辺が見頃です。 A各山頂周辺の咲き具合 障子岳>傾山≧祖母山>古祖母山 といった印象です。 ※古祖母山は思ったより花が少なかったので、障子岳まで足を延ばすことをお勧めします。 ※天狗岩も良かったです。 2.シャクナゲ @大障子岩周辺ではシャクナゲが見頃、ごく一部ですがヒカゲツツジも咲いていました。 【Part2】 プロローグ 感の良いお客様は気が付いたかもしれませんが、「祖母傾山系アケボノツツジ一斉開花調査」と銘打ち、1日で上畑からぐるっと祖母山、傾山を回って九折登山口に降り立ち、当然一人なので上畑まで車道を歩いて戻りました。過去のレポを参考に今回の縦走に関してこだわった点は、 @主要な山頂を通過(前障子、大障子岩、祖母山、障子岳、古祖母山、本谷山、傾山)、 A三坊主尾根を通過する、 B24時間以内に「上畑を発ち、上畑に立つ」、 この3点です。 鶴見岳から由布岳を経由して由布院駅まで歩いたことが以前から気になっていた1日縦走を実施するきっかけになりました。加えて、知っているお二人(それぞれは全く関係なし)が完踏していたこと、周囲の皆さんが色んな歩き方で祖母傾山系にアプローチを駈けていることを聞いたことも拍車をかけました。 今回の計画を実行するに当たりWEBで情報を検索しましたが、適当なキーワードが無いため、どーしても2泊3日縦走の記事が多数ヒットするなか6件ほど該当するレポを発見し、さらに今回の反時計回りのレポは2件でした。この2件のデータ、前回軽装で歩いた記録等々を参考にし算出したところ、概ね16時間で上畑に戻ると想定しタイムスケジュールを作成したところです。 しかし、時間通りに行かないのが世の常でありまして・・・自分でも覚悟していましたが、軽装で歩いた過去の記録(距離、標高)からすると尾平越から先は体力的には未知の世界でありまして、この未知の世界を覗きに行きたい興味と疲れ果てて動けなくなった時の現実をどう対処するか、この狭間で実行を決心できなかったのは偽らざる心情であります。 限界を求めて分かることがあります。 日頃使わない筋肉、体調、精神的な揺らぎ等々・・・とりあえず完歩した今若干の筋肉痛と50代の体力の限界を確認した次第です。駄文を書く前にまずは、今回の計画を実施するにあたり自分も最も興味があったタイム、食料、持ち物等以下Part3,4に極力詳細にまとめてみました。 【Part3】 タイム&食料補給 (通過場所(到着時刻)○は休憩時間、食糧補給 の順で記載しています。) @タイム 上畑健男社階段前(2:55) 〜 地積図根(4:23)D 〜 前障子(4:53) 〜 大障子岩(5:52)E 〜 宮原分岐(7:07)Gおにぎり 〜 祖母山、水場経由(8:05)N 〜 障子岳(9:12) 〜 古祖母山(9:43)Kバナナ 〜 尾平越(10:32) 〜 (ブナ広場で給水)D 〜 本谷山(11:52) 〜 水場(23)フレンチトースト、カロリーメイト 〜 九折越(13:40)〜 傾山(14:50)N 〜 三尾(16:31)L 〜 九折登山口、休憩所前(17:40) 〜 上畑(18:26) 合計 15時間31分 A食料 食べた→ バナナ1本、おにぎり、フレンチトースト、カロリーメイト(2本)、黒糖飴5個 残した→ シリアルバー等 4本、カロリーメイト等 6袋(2本入)、飴10個(不味かった・・・) その他 運動補助剤として VAAM2袋、プロテイン等3袋を持参しこれは水に溶かして飲みました。 B水 出発時 水+スポドリで半々で2L+スポドリ500ml 補 充 祖母山Q合目小屋水場で水を上畑出発時の量に補充 ブナ広場で500ml補充。 到着時の残量 700ml ※当日は比較的気温も終日低かったため、この位の水で足りたかな〜、と思ってます。 上記@〜Bを下表にまとめてみました。
※2 距離は沿面距離です。 【Part4】 持参したもの、格好 @携行品 グローブ(2種類)、アンダーウエア上下、ダウン(上のみ)、極薄ウインドブレーカー上下(モンベル)、タオル ヘッドランプ大小2個、GPS、デジカメ(コンパクト)、予備電池(単3×2本、単4×3本) テーピング、ホッカイロ、地図、ストック1本 A格好 上 ファイントラックのノースリーブパワーメッシュ+半袖シャツ 下 モンベルのブリーフ + 普通のランニングパンツ、ふくらはぎのサポーター(SKINS) 手 手袋(薄手) 足 靴下 ファイントラックのラミースピン、 靴 トレラン用(アシックス) ※朝はちょっと寒かったですが結局変更しないままでした。 【Part5】 駄文長文 (読み飛ばして結構です) 安全性、気候的に要因を勘案すると実行する時期としては日長も長く、気温もそこそこで凍死もしくは熱中症の心配も少ない5〜6月かと考えていたので、この時期を逃すとまた来年となり頭の中も行け行け状態だったので、やるなら今だ! と判断し前日車中泊で上畑に乗り付けました。21時就寝、翌2時過ぎ起床、出発は2時55分。 当然、暗闇の中ですが半年ほど前に登ったのでさほど変わりは無いものと想定していましたが、なんと鹿ネットが登山道を寸断しており、これの入口にしばらく手間取ったこと、暗闇のため何カ所かでルートを見失ったりと若干のロスが発生。それでも前障子に着く頃には周囲も明るくなり、ここから先でルートの間違いは一切無く、順調に縦走路を歩きました。 過去の実績から自分で設定した時刻と比較していくと、ほぼ設定した時刻と大して変わることなく時間を刻んでいきました。最初の内は本当に完歩できるかどうか不安で、どこで止めるんだろう・・・的な思考回路がしばらく続きましたが、途中から考えられなくなったのか、頭の中がリセットされたのかひたすら歩いていました。 前障子岩に着いたのは日の出前で、足元は雲海で思わず一眼レフと三脚が欲しくなるような光景で、いわゆる朝駆けして日の出を待つ、といった状況でした。が今回はぐっと堪えて次の大障子岩へ。このあたりはすでにアケボノツツジは終了しシャクナゲコースへと変貌していました。前障子の時に祖母山着の予定時刻を見ると8時07分、なんと約3時間で・・・まじかよ〜のこころであります。 自分の体力では16時間程度を想定していましたが、念のため20時間を想定したタイムも作成しておいたところで、今のところこれよりは遥かに早いので、行ける? 祖母山に近づくに連れアケボノツツジも見え始め、馬の背付近ではまずまず楽しめます。水場で予定通り水を補給し祖母山頂へ。山頂周辺のアケボノツツジは開花直前の蕾状態だったので土日当たりは綺麗かもしれません。また小屋方面を見下ろすと登山道からは見えなかった株がまさに満開状態です。 祖母山を後にして、黒金尾根との出会いにあるアケボノツツジは満開、ここから天狗岩、障子岳とそこから古祖母山方面が今回一番見て楽しめる地帯だったように感じました。 古祖母山に着くと、1名休憩されていて「まずまず咲いてたよ」とおっしゃられたので、「是非、障子岳へ」と勧めませんでしたが、日頃たくさん花を付けている古祖母山の尾平側に出るとあまり花が無く、それなら勧めておけば良かった、と感じると同時に、その後、お会いした方には「是非、障子岳まで」とお伝えしました。 そして、いよいよ尾平越、ここから未知の世界への突入です。あとで気が付いたのですが、もう少し冷静になっておけば良かったなぁ、と。なぜか、ここから先、自分の場所とこれからの行程の確認、一番気温が上がっていることを分析すれば早め、長目の休憩を入れるべきでした。 しかし、勢いで進んだため本谷山手前当たりからなんだか足取りがおかしくなり、こりゃいけない、と思いつつもそのまま・・・ なんとか本谷山を越え水場付近のアケボノツツジも綺麗だったこともあり、ここで靴下を脱いで食料補給しました。この時感じたのは妙なシリアルバーより古祖母で食べたバナナが恋しかったです。少し、重くなるかもしれませんが、水分を含む果物が一番のど元を通りやすく体長を整えてくれる気がしました。 体調も少し回復し笠松山を経由して久々の九折越です。笠松山は三角点のあるピークと「笠松山最高点」と書かれた看板のあるピークとあり、今回は自称「最高点」ピークに立ち寄りましたが、ここも踏み跡があちこちにあり少しアタフタとしてしまいました。少し、時間をロスしましたが九折越にはほぼ計画どおりの時刻に到着、しばらく草の上で大の字になって転がっていました。 ここから九折登山口に下ることもできますが、ここまで来ると残す所傾山まで標高差350mと登れない高さでもないし、傾山の先の三坊主も勢いで行けるはず〜、もし、ここで諦めたら、再びチャレンジしなければと、完歩できなかったトラウマが残るという恐怖心にも近い気持ちが混沌とする中で、疲れてはいるものの気持ちはまだ前向きです。 とはいえ、後傾の急な登りに取りかかると息があがる期間が短くなり、思わず手足が止まります。綺麗なアケボノツツジが見えると疲れた気持ちも一気に晴れ・・・なんて、そんなことはこの状況になるとあるはずも無いわけですが、傾山山頂周辺のアケボノツツジは綺麗でした。 傾山山頂で再び靴下を脱ぎ足を干しながら、アケボノツツジを鑑賞しあとは基本下るのみです。三坊主経由なのでアップダウンが多いのですが、これまでがこれまでだったので、体力的にはキツイのですが、精神的にはあんな坂、こんな坂〜♪〜岩場もなんのその〜状態です。下り坂はまだまだ足は大丈夫・・・一気に登山口まで下り無事完歩できました。ここから上畑まで戻るのですが、途中の奥嶽川を渡る橋までは下り坂のはずだったのでジョグ程度で走る予定でしたが、さすがに足が動きませんでした。 18時26分、上畑に立ち今回のチャレンジも無事終了しました。 今年を振り返りイベント的な登りをいくつか実施していますが、勝手に人生50周年記念事業ということで、あと2つほどプランがあり地道に取り組んで参りたいと思っています。ただし、今回のようなハードでは無く地味〜な計画なので、実行もしくは達成したら報告したいと思います。 |
(1)4:23 地積図根 |
(2)4:53 前障子岩 うっすらではありますが次第に明るくなりつつあります。 |
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(3)前障子岩より それはずーっと陽が昇るまで眺めておきたい光景でした。 |
(4)5:52 大障子岩 |
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(5)大障子岩より。 デジカメも一眼が欲しかった・・・ |
(6)大障子岩周辺はシャクナゲが満開でした。 |
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(7)池の原展望台より |
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(8)7:07 宮原分岐 本日初の食糧補給、おにぎり1個なり〜 |
(9)馬の背 この辺りからアケボノツツジが綺麗になりました。 |
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(10)馬の背にて |
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(11)障子岳、古祖母山方面 |
(12)8:05 祖母山頂 下の水場で水を補給、山頂で15分休憩 |
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(13)祖母山頂より |
(14)障子尾根方面。雲海が素晴らし〜 |
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(15)8:48 黒金尾根分岐 ここのアケボノツツジが満開でした。 |
(16)天狗岩のアケボノツツジ シチュエーションというかロケーションというか 綺麗でした。 |
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(17)9:11 障子岳 山頂〜古祖母方面のアケボノツツジは当日最高の出来と感じました。 |
(18)障子岳山頂のアケボノツツジ |
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(19)障子岳山頂より |
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(20)9:43 古祖母山頂 バナナ1本補給、本日何よりも美味しかった! |
(21)本谷山、傾山方面 山頂から尾平越方面に出た所は普段は花が多いのですが、印象としてはパラっと程度しか咲いていませんでした。 |
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(22)10:32 尾平越 いよいよ未知のゾーンに突入です・・・ |
(23)途中にある好きなブナの木です。 元気そうに新緑を広げていました。 |
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(24)11:52 本谷山 この先の水場で靴下を脱いで20分以上休憩、フレンチトースト、カロリーメイトを食しました。 |
(25)笠松山 少しアタフタしました・・・ |
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(26)13:40 九折越 久々の九折越でした。草の上に大の字になって休憩し、いよいよ最後の登りへ突入です。 |
(27) 途中から見上げた傾山山頂。 いや〜、今の状態でこの角度はシビレます〜 |
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(28)後傾より。アケボノツツジはちょうど今が見頃です。 |
(29)14:50 傾山 最後の山頂に着いたぜ〜 短時間でしたが靴を脱いで休憩。 |
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(30)本日のコース。 当日は少し見えづらかったので写真は1昨年の秋のものです。 |
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(31)いざ、三尾へ。 |
(32)16:31 三尾 ここで最後の休憩を取り、一気に激下りです。途中、風倒木で分かりにくい箇所もありました。 |
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(33)間もなく登山口です。 |
(34)17:40 九折登山口着 休憩所の前を「登山口」にしました。 |
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(35)県道7号に到着。 ここまで来て、着いた〜、と言う実感が湧いてきました。 |
(36)18:26 上畑到着 自分の車にタッチしてゴールです。ちなみに万歩計は74,000歩でした。 |
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(37)車道を振り返りながら眺めた傾山です。 |