なかなか県境を越えない山行が多いのですが、先週に引き続き他県の山を歩きました、と言っても2〜3歩踏み出したくらいです。特に大崩山は祖母傾山系の続きみたいな山域ですがようやく歩きました。 【5月8日】 大崩山登山口は魚釣りをしていた頃に訪れたことがあり、その当時は大崩山登山口など知る由もなく、なんでこんな所に車が停まってるんじゃ〜、と思うのが関の山でしたが、今回は平日にも関わらず10台以上の車が停まっていました。今回はテント泊ということでちと重荷で、お初のルートでしかも岩場で有名な場所なのでちょっと緊張気味で登りました。小積ダキまでの核心部には概ね11箇所アルミの梯子がかけられていますが、アルミの梯子場といえば杉が越ルートで登る傾山も多く緊張した事を思い出しました。梯子場の総仕上げみたいに象岩のトラバース、大崩山山行のレポには定番のように紹介されていて写真で見る限りよくもまぁ、こんな山を、と感じながら眺めていましたが実際歩いてみると予想外に安全。と感じた次第です。 小積ダキから先は、普通の山に戻ったかなぁ、と感じるほど穏やかな山に変身し、ときおりスズタケの狭い通路を歩いたりと山の表情の変化に感動です。大崩山山頂から少し戻り、上鹿川登山口方面に10分弱ほど下ると右に入る道があり、「鹿納山へ」の看板が設置されており、ここを入り本日の天場となる権七小屋谷入口を目指します。ここから先はアケボノツツジがぼちぼち見かけられるようになりますが、ここのルートはきっちり稜線を歩くためアップダウンの繰り返しで結構体にこたえます。次第に鹿納山が近くなるとアケボノツツジがたくさん見られるようになり、実際今回歩いた中で一番花が多かった場所でした。 天場には14時半頃到着。しばし、休憩後とりあえず急降下な登山道で水場へ下りました。水量はまずまずでそのまま飲みましたが、今のところお腹は大丈夫です。テントを張りだれも人通りが無さそうな天場でゴロゴロしていると、2組4名の方が通過しました。ご夫婦連れの方にはコースのアドバイスを頂き翌日の県境コースの選択もその御陰です。また、テントの話になり重量や広さの話をしていると、お二人とも「いいなぁ〜、欲しいなぁ」と。ご夫婦でテント泊、羨ましいなぁと思いながら聞いていました。 その後は誰も通らず鹿の声もしない静かな夕暮れ、アケボノツツジを染めながら夕日が沈むとともに大崩山から満月が昇るという最高のシチュエーションでした。 【5月9日】 翌日は4時に起床、簡単な朝食とコーヒーを飲みテントを撤収、パッキングし5時20分頃出発しようとした時に朝日が登り始めました。鹿納山の山頂では風も結構ありまだまだこの時間は涼しかったのですが・・・ 鹿納山は岩峰なので360度、昨日歩いた道と今日歩く道の両方が見え後ろを振り向くと日隠山や祖母山などが見え絶景です。その後、岩場をトラバースしながら鹿納の野を通過、アケボノツツジに加えシャクナゲやヒカゲツツジが点在しブナの三差路、お姫山等々味のある景色を楽しみながら歩きます。ただ、昨日から少し気になったのは、ブナの枯れ木が目立つことです。若干の濃淡はありますが、大崩山から五葉岳の間は少々異様ささえ感じます。 五葉岳山頂付近にはトリカブトがあり、その間にヤマシャクヤクも咲いていました。五葉岳山頂からは杉が越を挟み傾山から夏木山にかけての稜線が良く見えます。ここからはAUは通話OKでした。夏木山へルートをとり歩き始めると太陽が真正面になったことと水の量に不安を感じ始めたので少し節水気味の水分補給のためか、やや夏バテ気味の体調になりペースがあがりません。 とはいえ、夏木山から先の県境ルートは昨日、聞いたとおりスズタケは枯れてしまい、尾根伝いのルートは明確です。しかも、シャクナゲが多くやアケボノツツジも点在しており、ブナ、ヒメシャラなどなど美林の中の登山道といった趣です。できれば、気持ちよく歩きたかったのが本音ですが、お天道様と気温の上昇が体にこたえ始め思い切って、節水解除、甘夏の缶詰の補給により症状がかなり改善されました。なんとか喜平越に着きましたが、木内山岳に登る気力はなく谷伝いに下ることにしました。ここも、どこかで目印を見落としたのだと思いますが、しばらくは本来の登山道を外れていたようで、下りながら谷の両岸を眺めていると、谷を下る方向で谷の左側に登山道を見つけこれを下りました。 祝子川沿いに大崩山荘方面に下っていきますが、そこは谷深いルートなので時折、慎重に歩く場所もあり最後まで気を許さないルートです。大崩山荘に着いてとにかく水を探してがぶ飲みしました。いや〜、今回の失敗は水分補給でした。 2日間で大崩山を中心にぐるっと1周しましたがGWの前半、後半とテント泊を堪能しました。 【概要】 1.行程 5月8日 大崩山登山口(祝子川)−小積ダキ−大崩山−権七谷入口(泊) 7時間(休憩含む) 5月9日 権七谷入口−鹿納山−お姫山−五葉岳−夏木山−県境尾根−喜平越−大崩山登山口 8時間40分(休憩含む) ※県境尾根は時折迷いやすい場所がありましたが、スズタケも枯れており尾根を忠実にたどれば大丈夫でした。 2.花 アケボノツツジ 鹿納山〜夏木山あたりがまずまずの見頃でした。大崩山は終わったそうです。 シャクナゲ 夏木山から先、県境尾根で綺麗でした。 3.その他 権七小屋谷入口の天場は2〜3人用のテントで4〜5張り程度張れそうです。 水場は権七谷へ数分下った左側にあり、今回は水量は充分ありました。 |
【詳細地図】 ※岩場の部分を拡大してみました。 |
1日目 | ||
(1) 林道から見上げた大崩山。 |
(2) 地図「1.登山口」 平日にも関わらずすでに10台以上の車が駐車していました。 |
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(3) 歩き始めて10分あまり早速梯子が登場。 |
(4) 地図「2.大崩山荘」 |
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(5) 大崩山荘を過ぎて間もなく「坊主尾根」への看板があり祝子川を渡ります。 |
(6) 詳細地図「1−1」 ここからしばらくアルミの階段が続きます。 |
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(7) 地図「3.林道へ」 |
(8) 詳細地図「7−2」付近。 梯子と橋がセットでした。 |
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(9) 詳細地図「8−1」付近 この上に登ると絶景ですが足元には注意です。 |
(10) 大崩のはさみ岩〜 |
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(11) 詳細地図「象岩下トラバース」 ようやくここを歩くことが出来ました。そういう意味で感動。 |
(12) 詳細地図「小積ダキ先端」 から大崩山頂方面を眺めたところです。 |
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(13) 詳細地図「小積ダキ先端」 から桑原山方面を眺めたところです。 |
(14) 同左より象岩のトラバースを地点を眺めたところ。 |
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(15) 地図「5.湧塚尾根分岐」 |
(16) 地図「6.モチダ谷へ」 モチダ谷入口の看板。 |
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(17) 地図「7.上鹿川分岐」 直進すると大崩山頂、右折すると上鹿川方面となります。 大崩山頂からここまで折り返し、上鹿川方面に下りました。 |
(18) 地図「8.大崩山」 途中はスズタケのトンネルがあったりと途中の岩場とは異なった表情でした。 |
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(19) 地図「9.鹿納山へ」 大崩山から下ってきて、振り返ったところです。 |
(20) 林の間から見えた鹿納山 |
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(21) アケボノツツジと鹿納山 |
(22) 天場付近のアケボノツツジ |
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(23) 地図「10.権七小屋谷入口」 なかなか良い天場でした。2組4人に会ったのみで、パンツ一枚でのんびりしました。 |
(24) 水場です。重宝しました。 |
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(25) 夕日を浴びるアケボノツツジ |
(26) 大崩山と月 月見で一杯のこころなのだ〜 |
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2日目 | ||
(27) 地図「11.鹿納山」 |
(28) 鹿納山山頂から桑原山方面を眺めたところです。 |
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(29) 地図「鹿納の野」 ここまでは岩場を巻いたりしますが、ここはちょっとした広場になっています。 |
(30) 日陰の岩場には「ヒカゲツツジ」が咲いていました。 ちなみに、権七谷を少し下ると咲いていました。 |
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(31) 地図「14.お姫山」 名前とは異なりちょっとした岩峰でした。 |
(32) 五葉岳方面へ。 枯れ木が目立ちますが、今回のコースで大崩山からこのあたりまでで多く感じました。 |
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(33) 地図「15.五葉岳」 五葉岳山頂付近にはトリカブトがたくさん植生していましたが、その中になんとヤマシャクヤクが咲いていました。 |
(34) 地図「16.夏木山へ」 とっきん岳との分岐です。 |
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(35) 地図「d.綺麗な森」 この辺りになると枯れ木が少なくなり、なんとなくのんびりしたくなります。 また、シャクナゲもぼちぼち咲いています。 |
(36) 地図「17.夏木山」 山頂手前ではアケボノツツジが満開でした。 |
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(37) 夏木山から県境への縦走路は予想外に快適で、シャクナゲも今回の縦走の中で一番多い場所でした。 |
(38) 綺麗な森が続きます |
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(39) シャクナゲの新芽があちこちで見ることが出来ました。 |
(40) ブナの森 |
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(41) 地図「18.喜平越」 峠に着いて振り向いたところです。 |
(42) 喜平越から谷添いにくだりましたが、最初は登山道と違う場所を歩いていたようです。 |
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(43) |
(44) 地図「19.ロープ有り」 下は祝子川へまっしぐらです。ここから大崩山荘を経由して登山口へ無事戻りました。 |
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