傾山・冷水ルート(2007.3.17)

 祖母傾山山系も改めて概観するとあちこちからルートがありますが、まだまだ未踏のルートも多く、何かしらむらむらするモノがあり、この際(何の際なのか・・・)歩いてみようと思い立ちました。といっても、毎週はちょっと辛いのですが・・・てなことで、今回は杉ヶ越ルート。実は先般ある方が「ガイド本には3時間と書いてあるが2時間で登った。」そのお話。そーなんだ、とまともに聞いた自分がバカと気付いたのは、しばらく歩いてからでした。掲示板でおなじみの山馬鹿さんからは「アップダウンが多いコースで面白いでっせ」ということで、登山口を7時前に出発しました。

 コースの前半は雑木林の下の気持ちよいなだらかなアップダウンで、快調に足を進めました。で、この時までは案外2時間で登れるかも〜、と後から考えると無謀な野望を秘めながら歩いていました。途中、アケボノツツジが点々と咲いており、日当たりの良い場所では満開状態の株もちらほら見えますが、全体的には今からといったところです。

 「景色の良いのピーク(地図では1088m地点)」に着くと、傾山が見え振り向けば少し霞んでいましたが新百姓山、夏木山等が見え、目の前にはアケボノツツジが咲いていますが、ここから先はアケボノツツジは少なくなり、ミツバツツジが増えてきます。ここまで約1時間。あと1時間で山頂?(んなわけねーだろ・・・本人後日談)
 ここで、アケボノツツジを撮ったり、おにぎり食べたり、メールしたりと少し長い休憩となっていまいました。

 このピークを過ぎると次第に道が険しくなり、本当にアップダウンの繰り返し&いわゆるヤセ尾根の連続となります。地図を見てもわかるとおりアルミ製ハシゴが設置された場所が都合12ヵ所(本数はもっと多い)あり山に登っているのに下るハシゴが半分もありアップダウンの多さが理解できると思います。また、しばらくは標高が上がらずストレスを感じたりする区間でもあります。
 
 前出のピークを出発して50分程した地点で「この先危険」の看板があり、少し場所も開けているので一息入れますが、ここまですでにハシゴが4ヵ所。このあたりで「2時間」がいかに無理な野望であったかに気がつきました。
 ヤセ尾根、ハシゴ場、登りの3拍子そろったここからが、このコースの核心部と言えると思います。ここまではほんの手ナラシみたいなもんでしょう。最初の内のアップダウンがボディブローのように効いてくるのがわかります。また、「1088mのピーク」以降比較的日当たりが良く、逆に疲れつつある体には結構辛いモノがあり、夏場のこのコースは水場もないし難儀なコースであることは容易に想像がつきます。

 危険看板から先はハシゴ場が最も多く、加えてヤセ尾根でどちらかが崖もしくは急斜面となっている場所が続き、地図を見てもわかるように最初は下りのハシゴばかりで、標高もなかなか稼げません。365歩のマーチではありませんが「3歩登って3歩下る」心境です。良く聞く3段ハシゴは全然大したことはなく、これが最後のハシゴ場になりますがこの上のロープの方がよっぽど取っつきにくく足場も良くありません。

 ここを過ぎるとようやくコースもおだやかになります。2回目の「危険」の看板が出てきます。慎重にこしたことがありませんが、それほど危険ではなく、すぐ終了の看板がでてきます。 あとはひたすら登ることとなりますが、2回目の危険の看板から約1時間弱で山頂となります。
  山頂ではマンサクの花が終わりを迎え、正面には祖母山、うっすらと大船山が見えています。今日の山頂には誰もいなくて貸し切り状態です。しかも、今日は往復する間も誰にも会わずと、これはこれで少し寂しくはありますが約1時間、山頂でのんびりした一時を過ごしました。内心はあのアップダウンを下るのか〜、と考えると少しブルーに・・・
 まぁ、下ってみるとそれほどではありませんでしたが、予想した以上に手強く、長い一日となりました。

【本日の条件】
 @天気 晴れ   A気温 8〜15度   B風 ぼちぼち   C荷物 18kg程度
 D距離 11.5km  E登った高さ 1300m(補正済)    F全行程 8時間(休憩含む)

【感じたこと】
 @アップダウンが多く、三つ坊主コースよりきつく感じ、コース自体がヤセ尾根が多いので緊張する時間はこちらの方が長い。
 A荷物を日帰り程度の重量にすれば、登り3時間(休憩なし)程度と思います。
 B踏み後ははっきりしていますが、以外と赤テープを見落としやすいので注意が必要

【その他情報】
 @登山口は大分県、宮崎県の両方から登ることができますが、宮崎県側の方から登った方が道が明瞭でおすすめです。
  大分県側からは判りにくく、間違ってしまいました・・・
 A登山口の駐車スペースは、トンネルの宮崎県側は2台程度、大分県側が5台程度のスペースなので大分県側に止めて宮崎県側から登るのがベターかも。
 B登山口から大分県側に2kmほど下った場所にトイレ、駐車スペース、水があります。 


     本日のコースタイム (ただし、休憩時間抜きの時間です)  
区間 時間  コメント 各地点の標高
@〜A   60分  穏やかなアップダウン A標高=1088m 
A〜B    50分 アップダウン   B標高=1190m
B〜C    50分 険しいアップダウン。核心部。  C標高=1310m
C〜山頂  40分 道は穏やかに D標高=1550m
標高はGPSルートを地図から読みとったので参考程度に。

(1)
 大分県側登山口周辺の全景です。
 こちらから登ると目印が不明瞭ですが、とにかく尾根に上がると道があるので「左」に進むと、神社の屋根が見えてきます。





 (2)
 宮崎県側の登山口で、こちらの方が看板が充実しており登山届けの箱も設置しています。道路の上の線は駐車スペースを示しています。



 (3)
 (2)の○の部分をアップしました。

 
(4)
 このような看板がありますが、決して脅しではないということが歩いてみて実感できます。びびることはありませんが、緊張感を持って歩きましょう。



 (5)
 大明神に安全祈願して出発です。宮崎県側から登ると右の看板の「新百姓山」方向に進みます。(6)の看板から見えます。
 


 (6)
 宮崎県側から登ってくると突き当たりに設置された看板。

 (7)
 最初の10分程は杉林で県道の上を歩くので、道路に石を落とさないように注意しましょう。ついでに自分も落ちないように・・・

 (8)
 杉林を抜けるとこんな岩場があったりしますが、1時間程はしばらくたおやかなアップダウンです。また、アケボノツツジも咲いていて、とりあえず花を楽しむなら地図のA地点まででも堪能できます。


 (9)
 尾根道の様子。@までの主なイメージです。


 (10)
  Aのピークの少し手前になると少し山らしくなります。




 (11)
 アケボノツツジを楽しめたのはA地点まででした。このような蕾が多かったので、来週当たりはこの付近は結構綺麗かも知れません。


 (12)
 同じくA地点から見える傾山。

 

 (13)
 はしご場が出現し始めます。


 (14)
 最初のハシゴ場集中地帯のピークです。まだまだ近くて遠い傾山頂です。




 (15)
 最初のハシゴ場地帯の最後のハシゴ(下り)です


 (16)
 B地点です。いよいよ、本コースの核心部で最初のこの看板は素直に受け止めた方が良さそうです



(17)
 (16)から少し登り振り返ったところ


  (18)
 左は切り立った崖です。

 (19)
 3段ハシゴ。次のハシゴ場地帯の最後のハシゴです。
 難儀するのはこのすぐ上のロープ設置場所の方が歩きにくく感じます。



 (20)
 下る方にも注意を促す看板が立っています。


 (21)
 C地点です。
 2回目の危険看板ですが、最初程ではありませんが注意して歩きましょう。


 (22)
 D地点です。
 ようやく、九折越えからの道に合流です。

 (23)
 すっかり春らしくなった傾山山頂



 (25)
 誰もいない傾山山頂。自分はどんな格好なんでしょう・・・?

 (26)
 大分県側に2kmほど下った場所にある駐車スペース、トイレです。トイレは綺麗ですが紙がありませんでした。
 手を洗う程度の水はトイレの奥にあります。綺麗ですが、飲料用として使用できるかは不明です。
 アケボノツツジ