山国川流域、福岡県境の山々が連なる中、標高が900mを越える山域の割に、ほとんど情報が無い合使山(地図では925mですが、国土地理院の基準点成果では三角点918.1mとなっています)、惣見山(904.0m、三角点名称:惣見)です。そこそこにマイナーな苅又山、上塚山等は自分も登る際に検索すると結構ヒットするのに合使山、惣見山はほとんど無しに等しく、登山対象として認められていないようです。自分としては地図を眺めると空白の山域のように感じていたので、合使山から惣見山までの尾根を歩けばこの辺りの山域が把握できると考え歩いてみました。 合使山は国道496号線から「合使山林道」を登り詰めた場所から登れそうなのでとりあえず車で行けそうな場所まで林道を進みます。未舗装の路面はさほど酷くありませんが平日は砂防ダムの工事中のようなので注意が必要です。国道から「合使山林道」を3.8kmほど進むと右側にプレハブがあり数台駐車出来るスペースがあります。さらに800mほど進むと10台以上駐車できる「広場」がありました。地図ではこの「広場」で行き止まりになっていますが、さらに林道が進んでいました。ただし、途中で落石がありこの「広場」で駐車をお勧めします。 まずは、駐車したプレハブ小屋から広場まで山の取り付きもしくは看板を探しながら歩きましたが、見つけることができずさらに「広場」の先を進み自分で勝手に登れそうな場所を見つけて取り付きました。帰りに切株にケルンを積んでおいたので参考にしてください。 ※帰りに登山口と思われる赤テープを見つけましたが看板はありませんでした。 縦走路は国土調査のため刈り払いされていて、尾根は歩きやすかったですが岩場を越えたりトラバースしたり、ヤセ尾根を歩いたり、絶壁の展望台など緊張感を随所で感じることが出来、自分好みの良いコースでした。それに随所で展望の良い場所もあり、シャクナゲも自生しており十分に楽しめるコースです。とにかく惣見山周辺を除き趣味で登った形跡が無いくらい何もありません。 合使山まで。 自分が勝手に決めた登山口から杉林の急登を登り尾根に上がります。尾根に上がり尾根伝いに登っていくと足元が崩壊した場所がありここからは景色が良好です。一度、道が緩やかになり杉林から雑木林になると急登になります。道は不明瞭なうえ、上に行くほど石がごろごろしており足元が不安定になり木に捕まりながら登っていきます。急登を登り上がると同時に左折、尾根を歩きます。三角点は一番高い場所から少し英彦山側に下った場所にあり周辺は広場のようになっています。 合使山からの縦走路は予想外に快適に歩くことができましたが、登山道ではないので風倒木があったり、右往左往する場所がありましたが、「こりゃ、まいったな〜」というほどの場所は無かったように感じます。一旦下った後、岩尾根を通過後、899mの標高点の先のヤセ尾根までは久々の「ヒット!」と感じるほど「美味しいルート」です。ただ、1箇所危険を感じたのは、登山道の段差自体は数mなのですが掴むものがないのに加え、両側はかなりの崖で特に英彦山側はかなり下まで落ちることとなります。出来れば10mもあれば十分ですがロープが欲しい場所でした。前後になりましたが全般に英彦山側の谷が深いので注意が必要です。 尾根が広くなり両側が杉林になる辺りから惣見山山頂までは結構早いです。杉林の中も綺麗で走って行けそうな状態です。最後に雑木林の鞍部を下り杉林に戻ると景色が無い山頂に到着です。山頂には私設看板が4枚ほどありました。これまでの縦走路が面白かっただけに少し素っ気ない印象ではありますが、再び緊張感を感じながら歩くと思うと、楽しくもあります。 それぞれ、単独で登ることが出来る山ですがこの縦走路はなかなかのものでした。私設登山口から惣見山往復で約4時間、駐車した場所から約5時間、今回お初のルートでレポを取りながらだったのでもう少し行動時間は短くなると思いますが、4時間は予定しておいた方が良いかと思います。それと10m程のロープ1本の持参をお勧めします。 (2009.12.27) 全所要時間 300分 登った高さ 700m 歩いた距離 7.7km |
ア ク セ ス |
@国道496号から合使山林道に入ります。 A今回は林道入口から3.8km付近のプレハブ小屋に車を止めました。 Bさらに先の広場まで車で行けますが、その先数百mに落石があり通行不可でした。 |
総合 評価 |
登山道 | 標識 | 山道 展望 |
山頂 展望 |
自然 | 被写体 | 体力 | 携帯 | GPS | 駐車場 | ロープ | 赤 テープ |
4.5 |
5 | 3 | 3 | 3 | 3 | 4 | 3 | 1 | 5 | 2〜3 | 3 | 2個 |
@ | 携帯(AU) ほとんど圏外で惣見山からはなんとかメールが届きました |
A | 山道展望は随所で良い場所があり4でも可 |
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(1) 国道496号から「合使山林道」入口。橋のたもとには「禁漁区(川)」の標柱が立っています。 |
(2) 国道から入り0.9km程の場所に看板があります。 |
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(3) 地図「駐車場所」 国道から3.8kmほどの場所にプレハブがあり、今回はここに駐車しました。 |
(4) 地図「b.広場」 ここまで車で大丈夫(多分)。この先も林道が続いていますが、大きな落石があるので、ここで駐車するのが無難かと思います。 |
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(5) 地図「1.登山口」 今回、登山口とした場所で、右カーブで「保安林」の看板があり、標柱には「平成21年10月30日」と銘記されています。 |
(6) (5)の○印のアップ。 看板の脇に切株があったので、石を積み上げておきました。 |
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(7) 地図「2.展望良」 真正面に犬ヶ岳等が見えます。ただし足元は崩壊しているので落ちないように注意です。 |
(8) 合使山直前は急登で浮き石が多くなり、複数人の場合は注意が必要です。急登を登り尾根に着くと左折、間もなく合使山山頂です。 |
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(9) 地図「3.合使山」 尾根の一番高い場所から少し、犬ヶ岳方面に下った場所に三角点があります。 |
(10) 地図「3.合使山」 4等三角点。測量用のポールが倒れているくらいで他に何もありません。ここから先国土調査の目印を主体に尾根を歩きます。 |
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(11) 地図「5.岩尾根」 合使山から一旦下った鞍部の岩尾根です。途中「4.三角点」がありますが、尾根の歩く場所で見当たらないこともあるかもしれません。 |
(12) 岩尾根からは遠くは由布岳、近くには樋桶山、他の場所からはくじゅう連山もよく見えました。 |
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(13) 岩尾根とまではいきませんが、ヤセ尾根も続き特に、犬ヶ岳側はかなり急斜面となっているので注意が必要です。 |
(14) 地図「6.補点」 ○印が補点、この先石積みで国土調査の切り開きが右折していますが、ここは直進です。目印がほとんど無いので直進には躊躇する場所です。 |
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(15) 補点の直ぐ先、通過して振り向いて撮影。 写真ではなんでもないように見えますが、両側は崖、滑ると確実にどちらかに落ちます。今回、ロープが欲しいと思った場所です。 |
(16) 地図「7.岩尾根2」 途中、何カ所か岩場で尾根を遮る場所がありますが必ずトラバースできるので各自で判断して下さい。ここも同様な場所で矢印の場所から登ってきて振り返ったところです。 |
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(17) 地図「8.展望台」 縦走路から犬ヶ岳方向に数カ所で尾根が出っ張っています。その中で特に目立った場所です。ただし足元はマジで注意です。特に犬ヶ岳方向右側は数十mは確実に落ちます。地図に崖の印はありませんがかなりの絶壁です。 |
(18) 「8.展望台」より小屋ケ岳(三角錐のとんがり山)、その奥が経読岳の眺めです。 |
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(19) 地図「9.岩場」 これまでトラバースしてきた岩場ですが、ここは岩の間を直進、間もなく杉林となりここからは平穏な登山道となります。 |
(20) 杉林へ。最初は尾根に沿って岩があります。 |
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(21) 杉林の林床は綺麗で走ることができます。 |
(22) 地図「10.惣見山」 私設看板が4枚ほどありました。 |
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合使山にて |