指山経由三俣山に登ってみました・・・

 2005年7月の集中豪雨であちこちに被害が発生しましたが、本ルートもご多分に漏れず核心部のハシゴ場前後が崩壊し通行困難となっていました。これについては過去に当HPで紹介したところですが、その後幾つかのHPで迂回路ができている報告、実際に自分もこのルートから登ってくるパーティを見たので、今回登ってみることにしました。

 当日は長者原を出発。気温は比較的高く、指山までは山頂付近の樹林帯の下には雪がありましたが、アイゼンは付けずに登りました。指山までは踏み跡もありほとんど圧雪状態なのでアイゼンがあった方が歩きやすいと思いますが、時折雪が無くなるのでついつい山頂までアイゼン無しでした。指山から三俣山北峰に向けて歩き始めるとあまり歩いた形跡が無く、当日はこの辺りから足跡がありませんでした。

 コルからハシゴ場までは雪が膝くらいあります。旧ハシゴ場は、滝が凍るようにつららが下がっていてロープの端が氷から覗いていますが、とても登れるような状況ではありません。それで、登る方向に向かって右側に迂回路があるとの情報だったので、見ると赤テープがありそれを辿っていくことにしました。
 本日は見通しも良く、足元も当然ながら良く見えます。一言で言うなら「良くもまぁ、迂回路にしたなぁ」といったところでしょうか。特に、雪があったせいかもしれませんが・・・正直冷や汗もんでした。

 前回、ハシゴ場を無理矢理登った時と比べると、緊張を強いられる時間はこちらのルートの方が長いように感じます。特に、一度折り返してハシゴ場方面に戻る時の左側の崖の上は注意が必要です。今回は雪でしたが、夏場でも雨の後は注意が必要です。その後、崩壊地を右側に登り元のルートに戻りますが、今回、膝上当たりまで雪があり急傾斜の斜面を登りました。ピッケルが欲しいと感じた一時でした。元のルートに戻る方向に赤テープがあるので見落とさないように登ります。できれば2人以上でロープ持参をお勧めします。

 崩壊地を通過すればあとは雪の中をぼちぼち登り、北峰に到着です。ここでしばしこの後、どちらに下ろうか・・・最初はここまで来たなら、あとは雨ヶ池方面に下ろうか、と思いながら、本峰を見上げると5名程のパーティが見えたので、少なくとも本峰より向こうは大丈夫、と判断して本峰に向かいました。予想通りの雪で常時腰以上雪があり頭上には雪で押さえ込まれたシャクナゲや木々のトンネルの下を四つんばいになったり、ラッセルしながら登っていきました。特に山頂手前の急勾配は雪かきしても登っても登れない状態でした。山頂手前は逆に雪面が凍って全然雪に足を取られませんでした。本峰からは圧雪状態で全く楽に歩くことができました。

 当レポートは決して本コースをお勧めするものでは無く、登るのであれば十分な準備と、危険と感じたら潔く引き返すための参考としてください。

 

【元ハシゴ場の迂回路概略図】
掲示板にも紹介しましたが、
左下の○がハシゴ場、赤い箇所が通過に注意を要する場所です。



(1)途中から見える泉水山



(2)樹林帯下の登山道。
それなりに雪があります。



(3)星生山。北側斜面は真っ白です。



(4)指山山頂



(5)指山山頂からみた概ねのルート。
赤いポイントが元ハシゴ場




(6)氷に覆われたハシゴ場。
迂回路は向かって右側にあります。



(7)最初はあまり危険を感じませんでしたが・・・
一応、赤テープがあるので見落とさないようにしましょう。



(8)雪で覆われた斜面はジャンプ台状態です



 (9)ちょっと危なかった場所



(10)ちょっと一息ついた場所。右側奥がハシゴ場の上。



(11)一番上の○場所です。
入り口となる木々にはあちこちにテープがあります。



(12)北峰まではそれなりのラッセルです。



(13)北峰と本峰のコル。ここまで来ると股下あたりまで雪があります。




(14)雪の下に潜りながらラッセルです。
まるで匍匐前進です。




(15)見上げるとこんな感じです。
このあたりでは雪に溺れている、といった様相です。
逆に、下る時はかなり楽チンかも〜



(16)山頂手前




(17)本峰山頂にて。
ラッセルで活躍した「杖」。白いのは着雪です。
当然のことながらお持ち帰りです。



(18)すがもり越え