親父in親父岳

【10月8日】
1.記 録

 4時起床。すでに小屋の中も少しざわめいています。取り敢えず荷物を片づけ、ザックを外に出し出発の準備&軽い食事(メロンパン、コーヒー)をすましてヘッドランプを点けて出発です。本日の作戦は、とりあえず軽く食事をして、水のある場所で朝食を摂ることとしました。

4:54(九折小屋出発)
 ここから先は、自分しか歩いたことがないということで本日は終日、先頭を取ることになりました(少し怪しい案内人で、出発後早速道から逸れてしまいました)。思い起こせば約2ヶ月前、重い足を引きづりながら歩いたこの道を、再び歩くとは。
 内心、「祖母山まで歩けるだろうか」と思う反面、前回に比べ気候、体調ともに格段に良好で恐らく大丈夫。しばらくは西に沈みかけた月を木々の合間に見ながら歩き始めました。後ろを振り返れば、5人のヘッドランプと少し明るくなりかけた東の空です。

5:55(笠松山東展望台) 6:18(出発)
 夜明け前に笠松山東展望台に着きました。ここは九折小屋から出て最初に展望が開ける場所で、傾山方面を眺めるにはもってこいの場所です。GPSで夜明け時間を確認すると6時12分だったので、夜明けを待つことにしました。この時の映像が今回のHPのトップの画像です。いままで夜明けを見てきましたが、こんなに素晴らしい夜明けは滅多にありません。しばし、皆さんで日の出を堪能し自分は本日のロングコースを無事完歩できることを祈って展望台を後にしました。

6:52(トクビ展望台)
 本日は、ロングコースなので適当に気分転換を兼ねての休憩でこのあたりから、祖母山方面の展望が開けてきますが、ここは特に良好です
    
7:36(本谷山下水場) 7:47(本谷山山頂)
 本当はここで朝食の予定でしたが水がほとんど無く、6人分のラーメンを作るのは不可能と判断。こうなれば我慢して「ぶな広場」まで移動することにしました。本谷山山頂で少し休憩後目指すは「ぶな広場」。途中の道すがら大きな木の下で立ち止まり、ごそごそとザックの中から出てきたのは聴診器。 木の中の水の流れが、聞こえた?かなぁ。だって、コスプレ用の聴診器とか・・・

8:48(ブナ広場着、朝食) 9:38(出発)
 九折小屋を出発して約4時間、ブナ広場に到着しました。ここは、この縦走路のオアシス的な場所で前回通過した時も疲れた身体を癒してくれた場所でもあります。そして、テントも一張り。主は出かけているようです。
 直ぐそばの水場も水量が減っているにしても、食事をするには十分な水量で、全員がここで飲料水も含めて確保し、少し遅い朝食(ラーメン、ソーセージ)です。休みながら良く地面を見ていると三角錐のブナの実が落ちていました。

10:00(尾平越)
 いよいよ尾平越えを経由して古祖母への縦走で、今からが正念場といったところでしょうか。古祖母山まで単純に460mの登りなので標高100〜150m毎に5分程度の休憩を取りながら足を進めます。一人なら、そろそろどこでエスケープしようかと考えはじめる頃ですが、今回は6名のパーティでもあり、声を掛けながら、そうすると「3人官女」から3倍の反応が返ってきます。うーん、まだまだ大丈夫・・・ 途中、変なおっさんの「大絶景〜!!」の雄叫びを聞きながら古祖母山へ。

11:33(古祖母山頂) 11:50(出発)
 なんとか、あえぎながら古祖母山頂到着。数名のパーティがくつろいでいました。ここで親父岳、黒岳の位置を山馬鹿さんと確認し次の障子岳で大休憩することにしました。障子岳までは途中展望台がいくつかありますが、体力も思考能力も次第に欠如し始めていて、第1展望台に立ち寄った以外は障子岳に直行です。

13:03(障子岳山頂) 13:43(出発)
 ここまで来ると祖母山も目の前となり振り向くと傾山は遥か彼方にちょこっと見える程度になってしまいました。本当に良く歩いたなぁ、と感動しきりです。残すは祖母山だけ。本日一番ゆったりとした時間を過ごしました。ここでは自分が持ってきたフルーツ缶詰を6人でシロップまで平らげました。特に、疲れている時などのフルーツ缶詰はお勧めです。少し、重いのですが、最近は食べる食べないは別にして、必ず一缶はザックの中に入れています。この後、自分は良くやるのですが、靴と靴下を脱いでここまで頑張ってきた足を解放してひなたぼっこです。これが結構気持ちよくて、皆さん障子岳山頂で靴下を脱いでの充電時間となりました。

15:20(祖母山頂) 15:47(祖母山九合目小屋)
 靴下をはき、靴を履きいよいよ中日も終了です。実は、障子岳から祖母山までが一番長く感じました。暑さのせいもあるかもしれません。 途中、縦走パーティに会いましたが、やはり続行するか、中断するかを相談していました。なんとか祖母山頂到着。今度は一人で歩きたい、と感じた時でもありました。
  
2.祖母山九合目小屋にて
 以前、小屋の前を通過したことがありますが、どうしても人見知りする自分としては小屋に立ち寄るのは初体験であります。さすがに有人の小屋ということもあり中は暖かで、良く名前だけは伺っていた加藤さんにもお会いすることができました。
 女性3名、男性3名のパーティということもあり、一部屋を頂くことが出来ゆったりすることができました。しかも部屋の中で調理OKということでテーブルの上にストーブを3っつ並べて夕食の準備です。とにかく、まずは山馬鹿さんが注文しておいてくれたビールで乾杯です。こんばんのメニューはカレーライス、サンマの蒲焼き(缶詰)、他酒の肴。やはり、今日もアルコールが入り食事が済むと、皆さんさっさと倒れていきます。
 部屋の気温が18℃程度あるせいか、寝袋の中では暑く、結局小屋の毛布一枚で十分という贅沢ができました。夜中、ナイーブな自分は何度も目を覚ましましたが、小屋の中の会話は「ここは何処?」「祖母山九合目小屋!」という寝言のような会話に少し笑ってしまいました。

 (1)6:12
 笠松東展望台から眺める夜明け前。
 ひたすら感動した一時でした。
 


(2)
 朝日が差し込む森。

 (3)
 中日のルートはロングコースではありますが全般に雰囲気が優しい登山道が多いです。


 (4)
 特に、本谷山〜古祖母山にかけての縦走路は、このような道が多くこの山旅の良さが一番感じることができる場所であるように思います。

 (5)
 確か、この木にコスプレ用聴診器を当てて、水の音を聞いたのかなぁ・・・


 (6)8:48
 ぶな広場。疲れた身体を癒すには良い場所です。水場も近いし中日のルートのオアシスで、ここを活用しない手はありません。
 ここで遅い朝食をとりました。

 

(7)11:33
 古祖母山頂着。



 (8)
 第一展望台で次なるピークを確認する山馬鹿さん。


 (9)13:03
 障子岳山頂で足を干す。
 完全休憩モードです。



 (10)
 障子岳から振り返る本日のルート。

 (11)
 祖母山までもう少しのハシゴ場を通過中。



 (12)祖母山頂より障子岳、古祖母を振り返る。

祖母山九合目小屋にて。