何も無い傾山へ・・・

 9月は3連休が2回もあり。そのどちらかで恒例のお泊まり遠足のお誘いメールが山馬鹿さんからありました。最初は以前から山馬鹿さんもお気に入りのブナ広場に泊まる計画でしたが、出発が尾平越で翌日は傾山、三つ坊主を越えて九折登山口に下る予定なので、初日があまりに短いのでその時になって考えようという毎度食料、行程もすべて大雑把です。でも、その方が山では気が楽でもあります。
 毎度のメンバーになると役割分担も明確で食料調達係&飲み過ぎ監視役がそよかぜ姉さん、ご飯炊き係りが山馬鹿さん、湯沸かし&コーヒー&鍋は自分ということで、ビールと焼酎とワインを飲みながら夕食の準備が進むお泊まりテント泊遠足、今回はいかに〜

【ハプニング】
 今回は、これを書かずに次には進めない、と言うほどではありませんが、九折登山口に車をデポした後、山馬鹿さんの車で尾平越に向かう途中、なんだか車の足元で異音が発生し始め、木の枝でも拾ったかな〜、と思うとなんとタイヤがぺちゃんこでパンク!思いも寄らないことに3人とも一瞬呆然としましたが、JAFを呼ぶにしても山奥だしとりあえず応急処置(最近の車は軽量化のためスペアタイヤが無いのであります)、修理したタイヤが翌日潰れていたらその時はまた、考えようということで30分ほどロスして尾平越に到着です。

【出発式】
 お泊まり遠足につきもののアルコール。山馬鹿さんはコンビニで調達したワインを500mlのペットに入れると、見た目150ml程度瓶に残るので3人でワインを回し飲み(主力2名)して出発!そーいえば、去年の坊がつるテント泊の時も長者原のバス停前で同じようなことしたな〜

【計画変更】
 冒頭でも書いたように、まず本当に今日はブナ広場に泊まるんかい?という率直な疑問となんと台風の余波で雨まで降り出す始末で縦走路に出た時、「撤収〜?」モードが全開でしたがそこは、もう少し歩いてみようと。1時間ほどでブナ広場に着くと以前のようなブナの森はではなく、ブナの墓場みたいな印象で、ガスと小雨がその景色にさらに拍車をかけ、ブナ広場に泊まろう! という以前からの夢はこの時点で延期となりました。

 次に、泊まる予定にしていたのが本谷山山頂下の水場。ここも着いてみると天場はテントを2張り張るには窮屈で、天気が悪いこともあり頭の上は木々に覆われなんとなく鬱陶しく、到着した時刻も14時過ぎ。そよかぜ姉さん曰く「男二人は今からすぐ飲むけんダメ」と却下。結局、九折越まで行ってしまおう、ということで雨は降らねどガス掛かる登山道を進みました。でも、この英断が素晴らしい結果へと繋がりました。

【お泊まり】
 九折越でテントを張り、呑みながら食事の準備です。が、傾山方面を見ているとなんだか急速にガスが晴れなんと夕日に映える傾山山頂が!しばしのシャッターチャンス。その間に役割分担で山馬鹿さんがご飯を炊いてくれました。
 撮影タイムが終わるとそよかぜ姉さんが今晩のメインディッシュ、すき焼きの材料を出し鍋係の自分が味付けです。といっても適当に砂糖と醤油をかけ、しばし鍋の蓋をしてできあがりです。そよかぜ姉さんが調達してくれた具材を分担して持ち上げた野菜&生玉子は山の中では超贅沢です。後は、持参したワイン、ビール、焼酎を呑みながらすき焼きをつつきながら、四方山話に花を咲かせながら夜が更けていきます。

【月光】
 呑んで出来上がれば、後は寝るだけ、20時前には山馬鹿さんと相部屋(テント)で寝袋に入りました。22時過ぎだったと思いますが、そう厚着もしていないのに暑さで目が覚め、山馬鹿さんと外に出て空を眺めると空の1/2を覆っていたガスが次第に晴れ始めさっきまで隠れていた月がはっきり見え始め、ヘッドランプを消しても月明かりで明るいテントサイトになり、寝ているそよかぜ姉さんのテントを揺らして「月が綺麗じゃ〜」と叩き起こしました。
 改めて、星を確認すると、スピカ、デネブ、ベガと夏の大三角形も確認、山馬鹿さんと残った焼酎を呑みながら、男二人しばし星空を見上げながら小さい声で吠えていました。

【朝】
 5時前に起床し朝食の準備、といっても昨日のすき焼きの残りとご飯の残りを合わせて、それに玉子スープを突っ込んだ雑炊です。前回はご飯にお湯を入れ、玉子スープのシンプルな雑炊が思いの外美味しくて、今回も同じ手口で雑炊、それとちと塩が効いたメザシで美味しく頂きました。テント撤収後6時半に九折越を出発。

【青空】
 九折越を出発する頃はピーカンでしたが、山頂に近づくに連れ山頂周辺にガスが掛かりつつあり大丈夫か〜、と思いながら足を進めていきます。幸か不幸か、祖母傾山系は足下に咲く植物の種類がくじゅうに比べると少なく、この時期はママコナ、リンドウぐらいでシャッターチャンスで足が止まることがほとんどありません。
 後傾、傾山山頂に着いた頃はガスが掛かったり切れたりし、青空やブロッケンを存分に楽しむことができました。自分たちが出発する9時頃に掛かり始めがガスは下山後も山頂周辺に掛かったままで、なんとタイミングが良かったことか、と感じた2日間でした。

【つづら】
 九折越を出発して数分ほどした時に後ろから、大きな声で呼ぶ声がしたと思うと自分たちの脇を1匹の犬が駆け抜けていきました。この犬とは抜きつ抜かれつしながら歩きましたが、当のご主人様は本当に傾山にくるんじゃろか? と心配していると、傾山でそのご主人様に会うことができました。で、犬の名前は「つづら」で、なんと3年前に九折越(つづらごえ)で拾ったそうで、本日は「里帰り」だそうです。結局、最後に「つづら」を見かけたのは三尾で、ここでもご主人様は置いたままでした。

【九折登山口へ】
 長崎隊の二人は三つ坊主は久々のとのこと。年に何度か一緒に歩くのでそんなに歩いていなかったかな〜と。
 ということで、三つ坊主コースは下っているのに6〜7回は登り、ついでにロープのある岩場や地味に滑りそうな場所など気が抜けないコースでもあります。やはり、テント泊の荷物なので足が疲れるというより「焼けた」という表現がぴったりの感覚となり、途中の林道で靴下を脱いで足を開放することで大分、楽になりました。
 登山口に到着すると下界は陽射しも強く、気温もなんだか高いみたいで3人とも頭から水をかぶり残暑を感じる後ろ頭を冷やしました。

 ということで、毎度大雑把なお泊まり遠足もハプニングに始まり、一時は雨にも降られ、「この雨は誰が呼んだ!」とそよかぜ姉さんから睨まれるなど、波乱の幕開けでしたが、思ってた以上に天気も回復、景色もバッチリと日頃の皆さんの品行方正、勝手気ままな行いのお陰と感謝しながら今回のお泊まり遠足も無事終了しました。

  






 (1)尾平越にて出発の準備中。





 (2)思い出深いブナの木。





 (3)縦走路。





 (4)宮崎県側の岩戸方面





(5)縦走路を振り返るとこんな感じでした。





 (6)本谷山山頂で小休止。ピオーネを賞味中。
 




 (7)縦走路沿いの林





 (8)笠松山三角点。天気が良ければ傾山が良く見えます。





九折越の天場、宴会突入前(そよかぜ姉さん提供)





 (9)2日目の朝。





 (10)2日目。6時半に出発です。





 (11)この辺りを歩いていると犬が駆け抜けていきました。





(12)傾山の途中。前障子、大障子岩が雲海の上に出ていました。





(13)ブロッケン。後傾山にて





山馬鹿さんとブロッケン鑑賞中(そよかぜ姉さん提供)





(14)





(15)傾山山頂のリンドウ。






(16)傾山山頂より。





激写中の自分(山馬鹿さん提供)






(17)同上





(18)山頂は次第にガスに覆われました。





(19)岩場を下っている所。結構足場が見えにくく苦戦しました。





(19)を上から見たところ(山馬鹿さん提供)





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(21)途中のブナ





(22)以下、三尾まで気持ち良い林の中の登山道です。
所々で緊張する場所もありますが・・・





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(25)三尾にて。犬が「つづら」くん。





(26)三尾下の森





(27)林道到着。ここまで来ると一安心





(28)靴下を脱いでひと休み





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(30)下山後、県道7号より。傾山の山頂にはガスが掛かっていました





(31)以下、スナップです





(33)夕日に染まる傾山





(35)尾平越にて





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