前回の1日縦走を実施する際、1日縦走の記事を6件見つけ、そのうち4件が時計回り、傾山から祖母山方向への縦走でその中のレポの最後に「反対側からの縦走はやりたくない」、といった記述がありました。自分的には同じ周回コースなので回る向きでそんなに違いがあるのかな〜、と単純に考え、ならばと本当は5月の縦走から間もない6月に実施する予定でしたが、所用や天気やらで結局伸ばし伸ばしとなり、日長時間が短くなりましたが、気温も下がり始めたこの時期に決行したところです。 この間、なにもしない訳でなく、前回の縦走の後考えたのは、標高差もさることながら歩く距離も40km以上とマラソン並みです。そこで、この長距離に耐えうる足が必要なのでは、と暑い時期ではありましたが基本、ゆっくりしたペースですが週に1回は20〜25kmを走るようにしました。これが成果と現れたかどうか、これは後で考察したいと思います。まずは前回のレポに従って要点から。 【Part1】決めごと 今回は傾山からだったので九折登山口を出発点にして、九折登山口までとしました。 @主要な山頂を通過(傾山、本谷山、古祖母山、障子岳、祖母山、大障子岩、前障子岩)、 A三坊主尾根を通過する、 B24時間以内に周回する、 この3点です。 【Part2】 通過タイム等 1.到着タイム 九折登山口(2:22) 〜 三尾(3:43) 〜 傾山(5:31) 〜 九折越(6:35) 〜 本谷山(8:13) 〜 尾平越(9:33) 〜 古祖母山(10:32) 〜 障子岳(11:27) 〜 祖母山(12:45) 〜 宮原(13:40) 〜 大障子岩(15:20) 〜 前障子岩(16:48) 〜 上畑・県道7号(19:03) 〜 九折登山口(19:57) 合計 17時間35分 (前回 15時間31分) 【Part3】 持参したもの、格好 @携行品 グローブ(2種類)、アンダーウエア長袖上、ダウン(上のみ)、極薄ウインドブレーカー上下(モンベル)、タオル2枚 ヘッドランプ大小2個、GPS、デジカメ(コンパクト)、予備電池(単3×2本、単4×3本) テーピング(2種類 伸縮性有無)、ホッカイロ2個、地図、ストック2本、簡易浄水器、トイレットペーパー、絆創膏、痛止め 前回と比べ、ストックが1本→2本、テーピング2種類、簡易浄水器が増えています。簡易浄水器は気休めかもしれませんが鹿(ふん)による水の汚染を気にしてのことです。予備電池は携帯の充電器も兼ねています。 伸縮性のあるテーピングは左膝に違和感があったので最初から膝に貼りましたが効果はあったようです。 A格好 上 ファイントラックのノースリーブパワーメッシュ+半袖シャツ 下 タイツ(SKINS) + 普通のランニングパンツ、ふくらはぎ、腕のサポーター(SKINS) 手 手袋(薄手) 足 靴下 ASICS五本指 (予備:ファイントラックのラミースピン)、 靴 トレラン用(アシックス) B食料 食べた→ バナナ2本、みかん1個、おにぎり1個、バランスパワー2袋(携行食)、塩分チャージ(飴) 残した→ カロリーメイト 2袋(2本入)、バランスパワー2袋 その他 運動補助剤として VAAM1袋、プロテイン等4袋を持参し2袋補給しました。 ☆今回も果物は必須だと思いました。それと少し、食料が少なすぎた感じがしました。 C水 出発時 スポドリ2L+スポドリ500ml 補 充 祖母山Q合目小屋水場で1L ☆最初はスポドリばかりだったため、途中から口のなかが変になり水分補給が辛くなってきました。普通の水も必要です。 【Part4】駄文長文 (読み飛ばして結構です) 前回のレポに「限界を求めて分かることがあります。日頃使わない筋肉、体調、精神的な揺らぎ等々・・・とりあえず完歩した今若干の筋肉痛と50代の体力の限界を確認した次第です。」ちょっと、文学的に書いてみましたが、今回は後半、特に大障子岩手前から大失速したときは「」に書いてある内容を凌駕し、率直なところ「動けなくなったらどうしよ〜」状態で、この時にまず最初に頭に浮かんだのが「食料が少ないかも・・・」でした。失速した分、若干体力が回復したのか前障子を過ぎたあたりから少し足取りも回復しました。当初は明るいうちに山道を終了するはずでしたが、結局、前障子を過ぎたあたりからヘッドランプのお世話になりました。 改めて今回の縦走を振り返ると、天気も曇天で暑くもなく寒くもなく縦走日和だったことを考え合わせると何か欠けていたように感じました。冒頭でも書いたように縦走に向けて長距離を走るトレーニングを行ってきました。その一方で天気のせいでもありますが、山行回数が少なく、場所もついつい近場となってしまい垂直方向のトレーニングができていなかったことが後半の大失速につながったのではないかと分析しています。前回の縦走前はしょっちゅう祖母山系を歩き、直前には鶴見岳〜由布岳、尾平から尾平越〜大障子まで歩いたり山のトレーニングは十分できていたのかもしれません。 さて、前日は九折登山口に車中泊し早朝に出発です。前回はうまく車中ベッドができたのですが、今回は敷物が悪いのか微妙な違和感が残るもエビスビールで乾杯、ジャガビーをつまみにしてさっさと就寝です。が、やっぱ微妙な違和感のおかげで浅い眠りが続きました。少しだるさを感じながらも準備を始めるとしゃきっと感が出てきたので、こりゃ行けるかも〜、と準備を済ませ2時20分過ぎに出発です。 上の表に「予測」欄に掲載している、事前に作成した予測時刻と見合わせながら登っていきます。概ね予測時刻に近い時間で移動していますが、前回と違ってイケイケ感を感じません。5月の時は尾平越までなんてことなく歩きましたが、今回は前回と違った感じで、結局、これが後になって「山不足」(たぶん)だと気がつきました。 傾山には夜明け前に到着し、東の空が焼け始めていました。本当ならゆっくりご来光や朝日に焼ける祖母山や大障子を眺めたかったところですが先を急ぎます。予測時刻もあくまで適当に設定していることもあり、特に、登る区間では実測が早くなりつつあり、「意外と行けるかも〜」と、調子に乗って少し意識してペースを上げたことも後半の失速につながったのかもしれません。 祖母山頂はさすが3連休の初日ということもあり、日頃にない喧噪です。その中、トレラン風の格好して、しかも山頂に着くなり大の字になって寝てるもんで、さすがに声をかける方がほとんどいません。それでも、9合目小屋では山頂で挨拶してくれた若い方が「1周ですか?」と話しかけてくれて、彼も興味を持っていてチャレンジしたいとのことでした。 大障子岩手前でアヘアヘ言ってるときに、ご夫婦で縦走されている方とすれ違う時に、やはり「1日縦走ですか?」から話が始まり、一度是非挑戦してみたいとのことで「持ち物」、「食料」、「靴」などに話が及びました。熱心に聞かれたので、HPに詳しく紹介してあることをアナウンスしておきました。 祖母山を出発して宮原までは順調だったのですが、次第に動くだけで呼吸が苦しくなり水分補給する際も息が上がる始末です。次第に足が上がらなくなる一方で、苦しさは増すばかりで久々に「どーしよ〜」と。 「ここまで来たなら最後まで」、という思いと「歩き通せるか」という疑問が錯綜した時間帯でもあり、大障子岩前後は上の表には現れない休息時間を頻繁にとりました。最初は予測時刻にこだわったことも余計に気持ちの余裕を削っていたかもしれませんが、途中から「まぁ、歩けば着くやろ」モードに切り替わってから少し楽になりました。前障子岩に着いてから基本下りが主体なのと、少し足も回復した印象もあり、いつものペースで上畑へ下っていきました。 しかし、一難去ってまた一難、途中の登山道が変更されたみたいで、しかも目印が遠いため日中なら、なんちゅうことのない状況でしょうが、暗くなってからはヘッドランプで探すのは苦労しました。まぁ、こんな時間に下った自分が悪いといえばそこまでなんですが・・・目印探しと道の確認に悪戦苦闘しながらも無事19時過ぎに県道7号に到着、嫁さんに無事下山したことをメールしてあとは駐車場までひたすら歩き最後の坂を上り詰めて19時56分に到着、17時間半の山旅が終了しました。 九折登山口の駐車場はほぼ満杯、そーいえば2泊3日で長崎隊の皆さんと縦走したときも、こんなだったな〜と思い出しました。今回、縦走していて宮原から大障子方面ですれ違う方が多いかな〜、と思いましたが自分の記憶が正しければ、4組8名と天気もまずまずの3連休にしては少ない印象でした。 肝心なことを忘れていました。結局、同じコースを逆周りしてどーよ、ということがそもそもの目的でしたが、確かに今回の時計回りコースの方が楽というかタイムは縮まりそうな気がします。というのも、時計回りの方が体力のあるうちにゆるやかな下り坂で、走れる部分が多いこと、逆の場合は疲れていて、緩やかな登り坂となりペースを上げにくい印象です。あとは大障子付近のアップダウンをいかにこなすか、ということのようです。でも、やっぱりどちら周りでもそれなりにきつかったです。 やり遂げた達成感で喜怒哀楽を合計100で示すと1回目は喜=80、楽=20で、帰宅して飲んだビールも「かんぱ〜い!」と、盛り上がったところですが、今回は時間的短縮もなく、途中のペースダウンにより暗くなってからの下山と準備も含めて反省点も多く、喜+楽=10、怒+哀=90 で、乾杯も無く静かにビールを飲み干すばかりでした。 今回の3連休、長崎隊からお誘いのメールもありましたが、10月は土日に行事が多く、日程的に今しかないと判断、泣く泣く断りを入れ「勝手に人生半世紀記念事業」として実施しました。またのお誘いを楽しみにしております。また、今回、途中で応援して頂いた皆様、この場を借りてお礼申し上げます。 |
(1)2:22 九折登山口出発! |
(2)3:43 三尾 まだまだ周囲は真っ暗で、時折鹿の目玉がこちらを向いていました。 |
||
(3)5:31 傾山到着 東の空を見るとうっすら明るくなり始めていました。 |
(4)傾山より |
||
(5)九折越に向かう途中で振り向いて傾山。 | (6)6:35 九折越 小屋の前には鹿がたむろしていました。 |
||
(7)7:31 笠松山三角点 今回は三角点に立ち寄りました。向こうに見えるのは祖母山。 |
(8)8:13 本谷山 ここで貴重なバナナを食しました。前回、妙なシリアルバーよりよっぽど美味しく、喉をとおりました。体がきつくなると「乾きもの」はのどをとおらなくなり、重くても生の果物はポイントです。 |
||
(9)尾平越へ この区間は走ることができる場所が多いです。 |
(10)ぶな この区間、後半はぶなも目立ち始め、気持ちよく歩くことができます。 |
||
(11)でもこんな場所も・・・ |
(12)9:08 ぶな広場 水場の水量は大丈夫のようでした。今回は祖母山まで持ちそうだったので補充しませんでした。 |
||
(13)10:32 古祖母山 ここで貴重なみかんとおにぎりを補給。みかん美味しかった〜 |
(14)実が落ちたマムシグサの花托 |
||
(15)11:27 障子岳 |
(16)障子岳山頂より。紅葉はもう少し先ですが、あちこちで気配を感じました。 |
||
(17)微妙に紅葉が |
(18)天狗岩・・・かな ここも紅葉が始まっています。左側に小さく大障子、前障子岩が写っています。 |
||
(19)12:45 祖母山 この辺りまでタイムも体調もよかったのですが・・・山頂は3連休で多くの人で賑わっていました。 |
(20)残すは障子尾根だけ、と思いながら撮った一枚。 |
||
(21)馬の背付近の紅葉。 ぼちぼち赤くなっていますが、くすんだ印象でした。 |
(25)登山道を覆うすずたけ |
||
(26)池ノ原展望台 この辺りから次第に足が上がらなくなりました。ここでも、休憩をとりました。 |
(27)15:20 大障子岩 ここまでなんと遠かったことか。周囲はガスで景色は見えませんでした。 |
||
(28)16:48 前障子岩 ここまで来ると足も少し回復してきました。小雨も降り始めたので正直山頂をパスしようと思いましたが、なんとか最後の山頂をクリアできました。 |
(29)前障子岩の岩峰にて。 |
||
(30)前障子岩より。今回は辛く長い尾根でした。 |
|||
(31)県道7号の看板。いざ登山口駐車場へ〜 |
(32)19:56 駐車場着。 |
||
(33)簡易浄水器。林業関係者によると山の水は留意した方がよいと聞き、今回初めて携行しました。完璧かと言われると?ですが、分析機器メーカーが扱ってるし、米軍でも使用しているらしいです。 |
(34)食料等。左側が残ったもの。右側が口の中に入った後の空き袋です。 これに食べたバナナ2本、みかん1個、おにぎり1個。 |
||