雪もクラスト化し楽ちんでした〜   

 3連休の寒波もなんとなく通過し、連休最終日に腰痛の状況も含め由布岳に登った所ですが登っている間は痛みをほとんど感じないという、なんとも都合の良い状態でありまして、ならば28日に祖母山に登ろうと企てていましたが、上司から「ちょっと待った〜」コールがかかり(ねるとんではありません・・・)、ならば1日前倒しで祖母山に登ることにしました。

 ふだんなら気にせずに通過する休憩所兼トイレの前に張り紙が増えており内容を読むと、最近の登山ブームで祖母山に登る方も増えているのか、道迷いや夕方まで下山できず、遭難騒ぎの様なことが増えているようです。このような事態に2枚張り紙があるのですが、そのうちの一枚、タイトルは「初めての祖母山登山にあたって」の最後の方に「九州の山は標高が高くなので・・・や、日本アルプスの経験があるので・・といった、「たわごと」は通用しません」 と厳しい一言。自分的にはこの表現がえらくツボにはまりまして、公的文書にケンカを売る様な一言に思わず笑ってしまいました。

 今回はひょっとしたら祖母山から障子岳方面の縦走路に樹氷があるかも、と想定して宮原から登り黒金尾根を下る事にしましたが、結論から言うと樹氷は全くありませんでした。雪は1,000m付近からちらほら、そこから100m毎に積雪が1cm増えていくイメージです。特に、宮原から祖母山までの縦走路は積雪もさることながらスズタケに積もった雪で全身雪まみれになりました。これも最初に歩いた登山者の特権(?)ということで潔く楽しみました。山頂付近まで来ても10cm程度の積雪なので、昨冬の雪に比べると楽ちんです。
 アイゼンを持参しましたが、装着するほどの状況でもなく、といっても足底はスリップするし微妙な雪の量でした。

 9合目小屋から先、昨日あたり登った様な足跡がほんのり残っていました。山頂につくと前述した様に縦走路の樹氷はありませんでしたが天気も良く、見通しもまずまずくじゅう連山、由布岳はもちろんのこと西には普賢岳、東には日向灘と短い時間でしたが景色を楽しみ、いざ縦走路へ〜

 というより山頂直下の梯子場が気になっていました。雪の量からすると昨年の様なロープも梯子も見えない様な事は無いと確信していましたが、やはり雪があると日頃に比べ緊張するしロープを頼りに滑らない様に無事通過。この時期ばかりはロープをありがたく感じます。あとは大した雪もスズタケのラッセルも無く快調に黒金尾根入口に着いたので、展望台でゆっくりコーヒーを飲みながら昨冬の積雪を思い出しながら大休憩としました。
 昨冬の祖母山の雪中登山は体力、装備、想像力、情報、撤退の判断力等々について考えさせられました。

 黒金尾根方面に足を進めるとこちらも新雪踏み跡無し状態です。ここも微妙な雪の量なもんでアイゼンは着けず滑りながらもなんとか大きな転倒もなく下ることができました。こちらの積雪量も宮原側と同程度で1,000m以上からぼちぼち雪が残っていました。
 下りの最後の難関が最初の板の橋です。というのも昨冬は板の上に雪が残っていて滑り落ちない様に随分慎重に歩いた記憶があたからです。今回、休憩所のもう一枚の張り紙には「標高が低い場所の登山道は道迷いが多いのでピンクのテープを着けた」と書いてあったので、それに従って歩くと板の橋を渡らず、川の中を歩いて渡るように導いています。
 渡り終わって振り向くと下流の橋が傾いていて渡れる状況ではありません。従って登る場合は一番最後の橋は渡らずにピンクのテープに従って川の浅瀬を歩きます。

 もう少し雪があることを期待していましたが今一つでしたが、これも贅沢というもの。晴天の下、祖母山を気持ちよく歩くことができたことに感謝するとともに、3月11日の大震災直後に登ったのも祖母山、今年最後の山行になるかどうかわかりませんが、山、家族、仕事等々いろいろと考えることが多かった1年でありました。
  (2011.3.13) 



 






 (1)思わず笑った張り紙です。
 





 (2)朝日が差し始めました。
 





(3)1,300m付近でこの程度の雪。





(4)宮原(縦走路へ)。






 (5)馬の背付近にて。




 

 (6)9合目小屋。





(7)山頂より。期待した樹氷はありませんでした。





 (8)祖母山頂。


 


(9)梯子場。少し緊張しました。





 (10)縦走路。うさぎ(多分)の足跡のみでした。





 

(11)縦走路途中の展望台より。





(12)スズタケに積もった雪





(13)黒金尾根入口。





(14)展望台より





(15)黒金尾根方面。1500m付近です。






(16)黒金山尾根の1,300m付近の雪。






(17)黒金尾根を登る場合、最後の橋は傾き渡るにはデインジャラスです。
実線で示したように新たに付けられた目印のテープは川を渉るようになっていました。






(18)下山後振り返って。