旧山国町と旧耶馬溪町の境に位置する両山です。 一ッ戸城山の存在は以前から知っていたので、図書館で中津市の史料を見ていると、城山の西側にはフラットな場所があり、馬場として使用されていた、との記述がありました。自分にとって山の中の「平坦地」は特異的な地形で惹かれます。そこが、しかも馬場として使われていたとなると、ずーっと気になったままでした。史料を読んだのは随分前のことです。地図では、一ッ戸山の先の尾根を辿ると尾山(三角点名:薬研地(やくけんち))、749.9mが座しています。 この両山を繋いでみてはどーよ、と思い立ち(実は随分前から・・・)歩いてみました。 一ッ戸山城は普通、紹介されているのは山の南側の神谷から登るコースが多いので、今回は北側のルートから登ってみることにしました。 まずは、鹿よけの柵の戸を開門して川沿いの林道を歩きます。道沿いの杉林を伐採したこともあり、以前下見に来た時より広く感じました。10分程で左手に「一ッ戸城址登山口」の看板と登山道整備記念の石版が立ち、ここから取り付きます。 といっても、ほとんど上まで作業道で登山道の面白みは全くといって良いほどありません。でも登山より城の方にはこちらの方が良いのかもしれません。 山頂近くになるとロープが張られ、尾根に着くと看板に従って城跡の周りをなぞるように山頂に導かれます。2〜3段の構造で、本丸に上がる所には階段が残り、山頂は城跡特有のフラットな山頂でした。景色は無し。 元来た道を辿りながら、「馬場」の方へ。最初は、岩が多い尾根道は次第に傾斜もなだらかで広くなり、なるほどこの辺りで馬を走らせのかと想像しながら歩きました。杉林の中で倒木もありましたが、歩きには、大した支障はありません。 今回、歩いたルートは旧町村境(耶馬溪町と山国町)のためプラスチック杭が基本目印になります。また、国土調査をしたためか藪こぎは皆無に等しい状態で、もっと、GPSに頼るかな〜、と思いきや、場所の確認程度で済みました。 ルートは途中、人工物のような岩組があったり、岩場、痩せ尾根と変化に富み思った以上に良かったです。 標高点629m地点の少し手前から急に赤テープが出現! 最初は、すでに城山から歩いた方がいるんだ〜、と思いながら山頂に着いてのんびりお茶しながら、そーいえば両宮からのルートは山頂に直接ではなく、この尾根のどこかに上がってきてからだったはず。そのことを思いだし納得。 標高点629mの少し先には展望のよい箇所もあり、適度の岩場とで楽しい区間です。山頂に近くなると勾配が急になり、足元は松の葉が多いため、良く滑るので、木々に捕まりながら登っていきます。山頂は、三角点と地味な看板が1つ。山頂の奥がもう少し高くなっているので、そちらに行くと露岩になっていて絶景です。今日は、PMのせいか、遠方の景色は今ひとつでしたが、縦走路が良く見えました。 地味な山頂で、久々に1時間近くにまったりして、下山するコースを考えた結果、通常、尾山に登る両宮地区からのルートを下ることにしました。前述したように、標高点629mを過ぎ、下る時はなんの違和感もなく、両宮ルートの方へ足が進んでました。見慣れない風倒木で来た道と違うことに気が付き、GPSで確認すると両宮に向かっていました。 両宮からのルートは古いのから新しい目印のテープまであり、急な下りを木に捕まりながらの下山です。登るときはさほど感じないかもしれませんが、下る際は転倒したことを考えると、思いの外気を使うルートと感じました。最後は尾根から杉林の植林地帯、竹林を抜けると神谷川に突き当たります。目印を辿ると堰堤があるので、これの上側でコンクリを張っていない所を渉ると両宮の集落から登ってきた道の終点に出ます。 後は、川沿いの道を下っていくと両宮の集落の中を抜け、一ッ戸山の登山口までのんびり歩いて下りました。 両宮から登る場合は集落の終点に車を停め、川沿いに歩いて行くと、行き止まり状態になった辺りに堰堤があるので、ここが実質の取り付きになります。ここから少し竹林、その後杉林の中の赤テープを辿っていくことになります。 久々の里山でした。やっぱ、里山も面白いです。(2015.4.23) |
ア ク セ ス |
@国道212号、旧山国町と旧耶馬溪町境の一ッ戸トンネルの北側 |
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(1) 地図「1.林道入口」 鳥獣害防止用の門があります。 |
(2) 林道。杉が切られ明るくなってました。 |
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(3) 地図「2.登山口」 少し上の石碑が登山道開通記念の石碑です。平成19年11月となっているので、道自体が新しいようです。 |
(4) ほとんど、作業道でした。 |
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(5) 地図「3.看板」 ここで作業道が終了し、少しだけ山登りらしい道になります。 |
(6) 山頂に向かう尾根は岩が多いです。。 |
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(7) 看板に従って、回り込むようにして山頂に向かいます。本丸への階段。 |
(8) 地図「4.一ッ戸城山」 山頂はフラットです。 |
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(9) こんな看板もあり、それらしい瓦の破片も置かれていました。 |
(10) いよいよ、馬場方面へ。最初は岩尾根です。 |
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(11) 地図「5.平坦地」 杉の倒木が目立ちますが、かなり広い平場です。 |
(12) 地図「6.岩の石組」 あまり岩のない地帯では目立ってました。 |
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(13) 次第に尾根状の道が多くなります。 |
(14) 地図「8.629m」 標高点ピークです。 |
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(15) 地図「9.展望良好」 な場所で、この先の岩場のピークも同様です。 今日はPMのせいか、あまり遠くは見えませんでした。 |
(16) 同左より撮影。 |
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(17) 尾山山頂直前は急登で松の葉が多く、足元が良く滑りました。 |
(18) 地図「11.尾山」 三角点は最高点より少し低い場所にあります。この奥は展望台です。 |
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(19) 三角点奥の展望台。右側は切れているので要注意です。 |
(20) 本日の縦走路も良く見えます。 |
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(21) 地図「7.分岐」 この付近はテープがあちこち巻かれていました。 |
(22) この風倒木で登る時の道でないことに気が付きました(^^;) |
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(23) 下りながら振り返って撮影 |
(24) 下りながら進行方向で撮影。ロープが欲しくなるような下りでした。 |
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(25) 両宮の集落。この集落を抜けて尾山に取り付きます。 |
(26) 再び、振り返って。しばらくは難路が続きます。 |
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(27) 地図「13.杉林へ」 ここで、難路だった尾根から杉林へ降りていきます。 |
(28) 杉林。振り返って撮影 |
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(29) 地図「14.堰堤」 堰堤の上流側を歩きます。渉って振り返ったところ。 |
(30) (29)の堰堤を振り返ったところ。ここから下流はしばらく川を徒渉出来る場所はありません。少し下流に丸太が架かっていましたが、腐っているようで渡るのを止めました。 |
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(31) 川沿いの道。車で行けないことも無さそうですが、狭いので舗装があるところまでやめておいた方が無難です。 |
(32) 地図「16.登山口」 良く紹介されている反対側の登山口。こちらの方が味がありそうです。 |
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