【窓の外は雨♪】 翌朝、窓の外は雨は小降りになったもののやはり雨雲に覆われ、本来ならテンションは下がるところですが、前日に雨天決行を決心したこともあり、むしろこの位の雨なら大丈夫だ〜、のココロなのであります。まずは前日民宿の親父さんに頼んでおいたおにぎり弁当をゲットし、いざ出発です。自分は忘れましたが・・・ 吉部の駐車料金が1,000円で高いことに不満を抱いている方も少なくないと思っているところに、300円駐車場が開設されたことがネットでも話題になっています。イメージとしては千円駐車場よりもっと手前と思っていましたが、その逆でした。 コヨーテ号が千円駐車場の入り口で止まったので、このまま千円駐車場に停めるのかな、と思っていたところ、以下取材を元にすると、コヨーテさん「ここの駐車場はいくら?」、管理人「千円です」、コヨーテさん「千円?、300円じゃないの?」、管理人「・・・(顔が不機嫌に)」と、コヨーテさんの英断で入り口まで進入した車をバックして300円駐車場に止めることが出来ました。 駐車場は杉林の中で、駐車スペースには砂利を敷き詰め、簡易トイレ(基本女性用で、男は林の中で用を足せとの貼り紙有り)もあり、少し下ると小川がありここで下山後の靴を洗うには便利でした。ちと、駐車場の話題が長くなりました。 【どろどろだ〜】 駐車場で盛り上がったところで出発です。雨はほとんど降っていませんが、時折吹く強風で木々の葉に留まった水滴がスコールのように降るなかをゆっくり登山道、林道を歩いていきます。気がかりなのはハシゴ場付近からの足下の悪さです。特に、ハシゴ場上の急斜面はどーなることかと思いましたが・・・まぁ、とにかく大変で一歩進んでは50cmほどずり落ちるし、前には進まないし、カッパは泥だらけになるしと悪戦苦闘の3時間でした。 それでも、泥だらけになりながらもこんな状況を楽しんでいる、このメンバーは本当に凄いなぁ、の一言につきます。特に、小柄なこねぎさんは、「ここ5年の登山で一番大変だったかも〜」と笑顔で言ってくれたのが印象的でした。これも、参加メンバーが誰一人いやな顔をせず笑顔で登ってくれたからだと思います。 ようやく平治岳山頂に辿り着くと山頂はしっかりとガスに覆われ、視界30mといったところでしょうか。一瞬でもいいからガスが晴れて阿蘇でみたミヤマキリシマの群落よりさらにスケールの大きい景色が見れればと思いましたが残念ながら晴れませんでした。 とは言え、目の前に広がるお花畑はさすが平治岳のことはあります。天気が許せばもう少し長く滞在したかったのですが、なんと台風のような風が吹き、しかも気温が12℃と寒く早々に南峰に移動するも、大戸越方面を覗き込めばもの凄い勢いの風が吹き上げ長時間の滞在は無理と判断し下山することにしました。 坊がつる方面への下りは登りに使った平治の尾よりどろどろ程度よりマシですが、登ってくる方は汚れないように、と気遣っている方もいるなか、自分たちのカッパの汚れ具合を見て苦笑いしていました。 坊がつる経由で吉部へと下り、途中の劇下り箇所では瞬間移動したり少々てこずりましたが、なんとか全員無事に下山終了です。 【空港まで】 下山後は温泉に入り、遅い昼食を食べ、ぎゅっと凝縮された2日間もいよいよ解散の時間です。次回は秋、紅葉の時期に会う約束です。自分は大分空港までこねぎさんを送る大役を頂くと共に、空港までの道すがら病気や治療の話やそれを取り巻くお医者様や家族の話を聞くことができました。 今回の山行の後、新しい治療を行う予定ですが、これが出来ない場合は緩和ケアも覚悟していることを人ごとのように話をしているこねぎさんを見ていると、率直に、人ってこんなにも強くなれるのかなぁ、感じるとともに、自分に置き換えたときにどうだ?と自問自答。とても、こんなに冷静では居られないと考えると、こねぎさんのこれまで病気に向き合ってきた気持ちを思い図ると言葉には出来ない思いが沸き上がってきました。 今、2日間を振り返り思い浮かぶのは、こねぎさんや皆さんの笑顔ばかりで、一緒に山を過ごした時間が少しでもこねぎさんの治療に役立つこと、そして秋には一緒に綺麗な紅葉を眺めながら山を歩けることを願うばかりです。 今回のツアーに参加頂いた皆様、また、参加できなかった皆様も遠くから見守って頂きありがとうございました。 (2013.6.9) |