親父in親父岳

【序章】
 元はと言えば、自分がテントが欲しい、という発言がきっかけです。
 優しい山馬鹿さんがそれなら、「持っているテントに泊まって、様子を確認してから購入してはどうですか」ということでした。「それなら、どこに行きましょうか」、ということで「祖母山にのんびり泊まりがけで登りましょう。」 そして、早数ヶ月が過ぎました。
 その間に自分もテントを購入したので、山で棟上げしましょうということになり、今回の山行となりました。

【1日目山行】
 コースは以前から山馬鹿さん提案の「北谷登山口〜祖母山〜障子岳〜親父岳」を歩くことにしました。本来ならば一日で歩けるコースですが、せっかく長崎からの山行なのでのんびりコースとしました。今回のメンバーは山馬鹿さんと同僚の「はばっちさん」と合計3名の同級生(偶然)パーティです。それと、この時期であればアケボノツツジも期待できるかもしれません。
 北谷登山口で10時頃に合流、簡単な食事を済ませ登り始めました。北谷登山口が標高1,000m以上あるので祖母山頂まで2時間ちょいです。途中、風穴のあたりでアケボノツツジが咲いていましたが、今回咲いていたのは、このあたりまでで、これより高い場所ではまだまだ蕾でした。
 天気は晴天ですが、尾根道にでるとかなり風が強くなり、時折景色の良い岩場に立つにも凄い風で、風速20m/秒くらいかなぁ、といいながら山頂へ。山頂にはツアー客もいたせいでざっと50人程度の方が・・・
 とりあえずビールで乾杯(荷物を軽くしたかったので・・・)。山頂からの景色もまずまずで、しばし、景色を眺めた後いざ親父岳へ。障子岳までの登山道でスズタケが低い場所ではますます風が強く、遮る物がない山では台風並の強風です。
 このあたりまで来て、「さて、今日の泊まりはどこで・・・?」 
 障子岳の山頂は当然の事ながら怒濤の風、とりあえず親父岳まで行って、時間があればこのまま下ってしまおうか、という案もでました。親父岳への縦走路は良い雰囲気の道で親父岳の山頂にはあっという間に着きました。途中、林の中でテントを張る場所もありましたが、とりあえず山頂まで行って考えることにしました。山頂について眺めるとなんとかテント(2〜3人用)を2枚張る余裕があったので、通行の邪魔にならないように設置しました。

【宴の時間】
 テントを張ってしまえばあとは食って、飲んで寝るだけで、テントを張り終えたのが16時頃。それぞれが持参のアルコールをザックの中から取りだし、自分は麦焼酎(20度)を350ml、山馬鹿さんがワインを500ml、とどめが「はばっちさん」のウイスキー普通サイズを1本。本人曰く、時間がなかったのであわてて買ってきた、と言っておりましたが、ちと怪しい・・・
 それでもってさらに山馬鹿さんの軽いザックの中から出てきたのは長さ50cm位のフランスパンとソーセージ。これが案外どの酒にも合うし、腹に溜まるしなかなかの取り合わせで、感心した次第です。
 フランスパンとワインと暖めたソーセージを食べて腹が膨れた時点で山馬鹿さんは風邪気味のせいか、体育座り状態で西日を浴びながら寝てしまいました。結局、二次会(自分のテント)、初対面同志の親父二人で飲んでおりました。子どものこと、仕事のこと、当然の事ながら親父のよもやま話も・・・。三次会(山馬鹿さんのテント)ですがこの時点でほとんどウイスキィーのボトルが無くなっていました。「誰がこんなに飲んだんじゃー」
  はばっちさん説:夜中に来た鹿が飲んだ。
  よっちゃん説:親父岳の主が誰かに乗り移って飲んだ。
  山馬鹿さん説:はばっちさんとよっちゃんが飲んだ!
 風は夜中もいっこうにやむ気配が無く、とうとう朝まで強いままでした。しかも、普通は単調な声でしか鳴かない鹿が、近い場所まで来て長い時間おしゃべりをしていましたが、その賑やかなこと。結局、ほとんどまともに眠れませんでした。

【2日目山行】
 朝は朝日の夜明けを期待して外を見るとガス・・・天気予報違うじゃん、風も止まないし、ということで朝食をとりテントをたたみいざ、黒岳へ。山馬鹿さんが仕入れた情報では、黒岳あたりから北谷登山口への道はかなり急とのこと、しかも川を3回程渡らなければならないらしい。実際、歩いてみるとかなり急斜面で、天気が悪い日に一人で歩くには少し不安を感じるルートです。ただ、目印は比較的多いので迷う心配は無いと思います。
 問題は川です。特に最後の本流を渡る地点は水量の多い日は要注意です。雨の時期に、このルートを予定される方は事前に川の水量を確認して登られた方が良いでしょう。万が一、登っている間に雨で増水が予想される場合は、風穴ルートか千間平ルートに変更された方が無難です。

 なにはともあれ、親父3人無事下山しお互いの健康に感謝した次第であります。改めて山馬鹿さん、はばっちさんに感謝!  

 



@北谷登山口の様子、風穴コースは前回の報告を参考にして下さい。

A親父山登山口は北谷登山口から200mほど下に小さな看板があります。

B画像(6)の水場は枯れることがあるそうです。

C黒岳から北谷への道は画像(18)地点まで、かなり急斜面です。




 (1)
 北谷から風穴への登山道。


   
 (2)
 風穴上の岩場付近のアケボノツツジ。今回、これ以上の標高で開花している株はほとんどありませんでした。

 (3)
 山頂手前の登山道脇の展望台ですが、凄い風で立っているのがやっとの状態でした。



 (4)
 山頂着。ツアー客もいたせいでかなりの混雑でした。

 (5)
 祖母山頂からの下山途中。はばっちさん慎重に!


 (6)
 山馬鹿さんの情報によれば、黒金尾根山から縦走路に着いた付近に水場があるとのこと。約200m、祖母山寄りに入り口があります。
 看板には「h=-43m、L=130m」とあります。標高はあっていると思いますが、距離はもう少しあるような感じです。

 (7)
 今回は強風のため訪問をパスした天狗岩を振り返る。


 (8)
 障子岳から親父岳への縦走路です。歩きやすくバイケイソウが芽吹いていました。障子岳から親父岳まで20分でした。

 (9)
 親父山山頂で宿泊準備OKです。


(10)
 親父山から見る日没。夜空は満天の星でした。
 夜中は鹿さんの訪問と強風で賑やかな一夜でした。

  翌 日 の 朝(5月1日)

(11)
 テントを撤収し、親父山出発です。


(12)
 黒岳への途中はガスで周りは何も見えません・・・



(13)
 途中、大岩を巻いて登る場所もありますが、特に危ないような場所はありません。



(14)
 黒岳山頂です。ここで一度来た道を折り返し、看板のあるところから北谷へと下ります。

(15)
 北谷登山口への看板。黒岳まではここに荷物を置いて歩きました。覗き込むと結構な急斜面です。スズタケにつかまりながらの下山です。



(16)
 とにかく、谷を下っていきます。テープやケルンがあるので見落とさなければ大丈夫です。

(17)
 少し、通過しにくかった大岩です。足元に注意して降りましょう。



(18)
 最初の徒渉箇所です。

(19)
 北谷登山口直前の徒渉箇所。ここは増水していると渉るのは困難かなぁ、と感じました。雨の多い時期や大雨が降った後はこのルートの使用は避けた方が無難と感じました。