七年山〜桑原山(2014.4.19)


 本来であれば10月19日にフルマラソンの予定でしたが、まともな練習も出来ていないし、山の紅葉は気になるし、仕事も重なるし・・・と、なんでこの時期に集中して行事が重なる! と文句を言いたくなる状況です。でも、改めて見ると自分の都合が大半で計画性の無さに嫌気がさして悶々としているところに山馬鹿さんから1通のメールです。
 山馬鹿さんの名古屋の山友が九州本土初上陸で、祖母山と九重山系を希望、仕事中に計画を作成したので意見があれば、さらに金曜日はどうしても対応出来ない。山馬鹿さんに、これはお誘いメールと考えて良いのか確認すると、案内してくれるとありがたい。これを口実に結局17日を休みにして山三昧の3日間となりました。

 17日は尾平から祖母山に上がり小屋泊、翌日は大障子岩まで行きクーチ谷を下り、19日は赤川から久住山、中岳を経由し恐らく紅葉が見頃となっている大船山に登る計画。名古屋から来られる二人はバリバリの山屋と聞いているので、足は問題ないと想いますが、迷ったり、色々な確認で余計な時間が掛かるのは必至です。ほんでもって、翌日のロングルートは時間内に歩けるか?という疑問も払拭できず、九合目小屋で3人で飲みながら、「山馬鹿さんにしこたま飲ませて歩けないようにしよう計画」を企てたのでありました。

 名古屋のお客人と面識があるのは山馬鹿さんだけですが、そこは彼の友人ということで何とかなるさ〜、的な対応です。 
今回、名古屋から来られたIさん、Nさん。イニシャル標記は味気ないのでIさんは「あい姉さん(声が大きく笑いも豪快)」、Nさんは「なんちゃん(静かな語り口調に似合わず質実剛健)」。3日間おつきあいさせて頂き、肩の凝らない名古屋隊二人でした。

 名古屋隊とは竹田で合流、大障子岩登山口に1台デポして尾平から登り始め、二人とも日頃から山に登っていることもあり、足が止まるようなことは無く、むしろ後ろから迫られているような気さえしました。なんちゃんは大人しそうな見た目とは裏腹にトレラン、トライアスロン、スキー等もこなす強者、その後ろであい姉さんもすたすたと登ってきます。
 お陰で、途中少し長めに休憩を取っても予定どおりの時刻に祖母山頂に到着。この間、誰とも遭遇すること無く、お二人も「良い山なのにね〜」。紅葉の時期「普通の方々」はくじゅう方面に集中し、この山域に来る方は少ないことを解説しておきました。

 さて、九州では有名な祖母山九合目小屋の小屋番、加藤さん。登る途中で加藤さん情報を事前レクしておきました。名古屋隊はどんな人なんだろう、とかなり興味津々だったようです。最初お会いしたときは事前レクのお陰でさほどインパクトを感じなかったようですが、 一晩、小屋で過ごす間に小屋番さんの音楽の趣味や昨今興味がある量子力学のこと等々。最後は名古屋隊の二人に「九州に行ったら9合目小屋の小屋番に会うように宣伝します」と言わしめた加藤さんでした。

 自分は、山頂で夕日を撮影してから小屋に下ると、名古屋隊に加え単独の男性(天草のKさん)が加藤さんと同じ炬燵に入りくつろいでいました(少なくとも自分にはそう見えました)。が、就寝までの数時間の間、何度も「今日は一人でなくて良かった〜」の繰り返し。名古屋隊によると初めてお会いする加藤さんの対応に少々手こずっていたようです。その後も加藤さんに関わる話題で大いに盛り上がった3日間でした。

 まずは3人でビールで乾杯。普段あまり呑めないと言っていたなんちゃんが今回は一番最初にビールを空け、名古屋から来られたので大分特産麦焼酎の「西の星(三和酒類)」、「なしか(八鹿酒造)」2種類を持参しました。なんちゃんは「なしか」がお気に入りで、結局、3人の中で一番呑んでました(多分・・・)。最後は狭い小屋の中、毎度の加藤さんの音楽談義、量子力学の話を躱しながら夜も更け、珍しく22時過ぎての就寝でした。

 翌朝は祖母山頂でご来光を眺めてから加藤さんに見送られ大障子岩に向けて出発です。当初は宮原で尾平に下る予定だった天草のKさんもご一緒することとなりました。個人的には好きなルートでもあり、馬の背、鹿ノ瀬で遠くなる祖母山を振り返りながら快調に歩くこと3時間ほどで大障子岩に到着。しばらく山頂からの景色を楽しむとともに紅葉の状況を眺めていました。加藤さんも言ってましたが、今年は祖母山の紅葉も色付きに精彩を欠き今ひとつの印象です。
 さて、問題はクーチ谷です。ここ数日天気も良かったのでだいぶん乾いているものの、石が多い登山道は滑り加えて浮き石が多いし・・・3人とも交代で滑り込みながら無事下山終了。

 下山後、道の駅「原尻の滝」で長崎隊と合流、大分名物「鳥天」を食し、今夜の乾杯用のビールを仕入れて沢水キャンプ場へ移動。本日はバンガロー泊です。ビール、焼酎、ワインと居酒屋「沢水」と化したバンガローで今夜の宴会開始です。最初は、ポテチ等乾き物を食べていましたが、今回は長崎隊が馬刺し、馬の紐肉、牛、豚と準備してくれています。と、なんちゃんが「馬刺しを・・・」、「馬の紐肉を・・・」と静かな口調。これをしゃべくり007風に意訳すると、「さっさ、馬刺しを出さんかい!」、「肉を焼かんかい!」と部屋中が獣臭くなりながら皆さんで美味しく頂きました。

 毎度、飯炊きは山馬鹿さんの役割。今回もそのはずだったのですが気が付くと炊きながら気絶し職場放棄。呆れながらも、姉さん方がフォロー。思い起こすと日頃は、宴会開始と同時にご飯を炊くのですが、今回は宴会がかなり進んだ時点で炊き始めたため、途中で気絶してしまったようです。そして、昨晩と同様に快調になんちゃんが美味しそうに焼酎を、あい姉さんはワインを空けていきます。
 気絶したままの山馬鹿さんを引きずって移動、それぞれの寝場所を確保し沢水の静かな夜は更けていくのでありました。
  (2014.10.17〜18)

  








 (1)尾平から見上げた祖母山主稜線。

 




 (2)800mの展望台にて。撮影中のなんちゃん。






 (3)縦走路に到着






 (4)山頂方面



 


 (5)展望台からの眺め。やや霞んではいるもののまずまずです。






(6)ちょっと見上げて。






 (7)ハシゴ場を通過。






 (8)最後の登りです。






 (9)夕日に映える祖母山のシルエット



 


 (10)夕日に照らされるとそれなりに見える紅葉でした。
 





 (11)ここからは夕暮れの空





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(14)翌朝、ガスの滝。






 (15)本日の目的地、大障子岩。






 (16)ガスの滝は次第に大きくなりました。






(17)ご来光を待つなんちゃん。






(18)やっぱ今ひとつか〜 山頂より。






(19)振り返って祖母山。






(20)別角度から見たガスの滝






(21)池之原付近。紅葉は少し先のようです。






(22)池之原展望台より






(23)鹿ノ瀬にて







(24)大障子岩より祖母山






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(27)「さっさ馬肉を焼かんかい!」 と指示するなんちゃん!?






(28)気絶したままの山馬鹿さん