何も無い傾山へ・・・   

【プロローグ】
 10月18日に三俣山、大船山の紅葉を堪能し、21〜22日にテント泊で以前から気になっていた祖母山系の紅葉見物を計画していましたが、日頃の行いのせいかどーも22日の天気が優れないので、21日だけで紅葉見物しようかなぁ、と考えていた頃、その思いが通じたかどうかわかりませんが、山馬鹿さんから金曜日の夜(!)に「明日、祖母山系にテント泊しませんか」メールです。
 実は18日の紅葉三昧登山の後遺症が膝裏の筋に残っていたので、少し迷いましたが2台で行けば当初予定していた尾平から尾平越に上がり大障子岩まで行って、尾平に戻るルートも少し楽をできること、天気も気にせずに歩けるし、しかもザックの中はいつもテント泊仕様なのでちょっと食料を加えれば準備OK。早速、山馬鹿さんにOKメールを返信し、二人合わせて百歳の中年おっさんのお泊まり遠足の始まりです。

【コース】
 道の駅「原尻の滝」で合流 尾平越(山馬鹿車)〜古祖母山〜障子岳〜祖母山(泊)〜大障子岩〜クーチ谷経由県道7号(よっちゃん車)

【紅葉】
 今まで、紅葉の時期はくじゅうばかりだったので、祖母山系の紅葉のタイミングを今一つ掴めません。くじゅうの紅葉を参考にこの時期なら大丈夫かな〜、と狙っていきましたが古祖母山から祖母山までの縦走路はすでに落葉した木が多く終了した印象です。
 宮原から大障子岩にかけては紅葉、黄葉が入れ混じる一方で落葉している木もあり、はたまた南北の斜面で進み具合も違ったりと「今が見頃宣言」を出しづらい状況でした。でも、障子尾根では紅葉を見上げては止まることが多かったのは確かです。

【祖母山頂泊】
 祖母山頂に何度かテント泊しましたが、これまでテント泊する方にお会いしたことがありませんでした。ところが今回16時過ぎに山頂に到着したとき、すでに久留米から来られたご夫婦が1張りぶん綺麗に整地され、もう一組の若い二人がテントを張ろうかなぁ、といった雰囲気でした。とりあえず自分たちも2張り分の場所を確保して宿を建てたころ女性が1名登場。あいさつの後、少し奥の場所にさっさとテントを張り、なんと祖母山頂に4張りのテント村出現です! 

 いつの間にか山頂で4人の宴会が始まり、それぞれが持参したつまみ、酒や焼酎を交換しながら四方山話が盛り上がります。そこに最後に山頂に到着したKさんが、「私も入れてくださ〜い」と宴会に加わり、5人で盛り上がることになりました。
 「宴会」に女性が2人いたのですが、お二人とも長崎県出身でしかもKさんは山馬鹿さんちのすぐ側のようで、かなりコアな地名が飛び交っておりました。また、そよかぜ姉さん、山馬鹿さんのブログのファンでそよかぜ姉さんには以前会ったことがあるとのこと。
 このKさん、なかなかの強者でテント泊ながら祖母傾周回を26時間で歩いたとか、ツェルトとは言えそれなりの荷物を担いでの時間なのでびっくりです。性格も天真爛漫と言いますか・・・ご主人から「何処に行ってるか確認のためGPSを付けとかないと」と言われるほど山にアクティブなようです。

 また、ご夫婦の奥様は以前、宮原コースで「キイロスズメバチ」に襲われ、今でもトラウマになり宮原コースだけは歩けないらしいのですが、なんと11カ所も刺され3日間入院されたそうです。奥様が襲われていたときご主人は自分も刺されたら看護できないと判断し、少し離れて見ていたので、今でも奥さんや子どもさんに「なんで助けなかった!?」と言われるそうです。客観的には正しい判断と思いましたが・・・。ちなみに奥様は「こいつに刺されました」、と握っていたハチを医者に見せたら「「こいつ」と言ってハチを見せたのは奥さんが初めてです」と医者が苦笑いしたようです。

 こんな具合に5人の祖母山頂宴会は盛り上がるとともに夜は更け、といってもまだ19時前。少し、冷え込んできたので山馬鹿さんが炊いてくれたご飯を食べて各自テントに撤収。ちょっと山馬鹿さんと話をして静かになったかな、と思った瞬間山馬鹿さんのいびきが聞こえてきました。

【星空】
 23時頃目が覚め外に出てみると、風も無く、寒くもなく見上げれば満点の星。三脚はありませんが山頂の台の上にカメラを固定し1時間ほど撮影タイムです。そーいえば、もう一本エビス琥珀があったよな〜、と思い出し明日の荷物の軽量化も含め、星を見上げながらお一人様二次会でした。当夜はオリオン座流星群のピーク1日前で流れ星を4,5個ほど見ることができました。

【夜明け】
 5時過ぎに目が覚めうっすら明るくなりつつある東の空には雲がほとんど無く、冷え込みも大したことなく、その証拠に笹の葉に露が全くありません。久留米から来られたご夫婦は雲海を楽しむため祖母山頂に泊まると聞いていたので、今朝は・・・と期待しましたが淡々とした夜明けでした。

【危ない二人】
 今回、障子岳に着いたのが14時過ぎ。この時、1名60歳位の方がいて「今から古祖母経由で尾平に降りるけど時間はどの位かかるかなぁ」との問いに山馬鹿さんと二人で「4時間くらい、ということは尾平手前で暗くなりますよ」、聞くと7時くらいから登り始めたらしく、「もっと、早い時間に登らないと」と釘を刺してお見送りしたのですが、自分たちが祖母山方面に歩き始めるとさっきの方が下から登ってくるではありませんか! 再度、道を説明しましたが、山馬鹿さんと二人で大丈夫かな〜。

 もう一方、同様な方が・・・黒金尾根分岐より祖母山寄りの露岩付近で14時半頃3名とすれ違い、うち2名は山慣れた方で、もう一方を気にされているようでした。山馬鹿さんとは縦走中でどこかで適当にテント泊でもするのかなぁ、黒金尾根を今から下ると暗くなるけど・・・その、もう一方と下山後尾平越の駐車場で偶然出会い、話をしましたがやはり暗くなって下山したとのこと。
 「四国の石鎚に登ったことがあるから、大丈夫かと思ったら道が分かり難くて大変だった」と。この方にも、先ほど方と同様に「もっと早い時間から行動してください」と告げ、「目印は最近になって充実しましたが、以前だったら大変なことになってますよ」とも言うと少し神妙になっていました。
 自分も偉そーなことをいえた者ではありませんが、今回ばかりは同様な案件が続いたこともあり言わせて頂きました。

【エピローグ】
 ひょんなことから山馬鹿さんからテント泊のお誘いを受けた今回のお泊まり遠足。下山しながら山馬鹿さんと「この時期、祖母山頂にテント泊するなんて自分たちも含めて変わり者ですよね〜」と。
 祖母山頂でお会いした皆様、おかげさまで山頂の一時を楽しむことができました。この場を借りて御礼申し上げます。

  






 (1)尾平越から稜線に出てひと休み





 (2)明日はこのピークまで
 






 (3)古祖母山頂手前のはしごを登る山馬鹿さん





 (4)微妙な紅葉





(5)古祖母山





 (6)障子岳と紅葉
 




 (7)鹿よけネットのゲートを通過して障子岳山頂へ。





 (8)障子岳山頂付近にて。





 (9)障子岳山頂より





 (10)祖母山頂方面。紅葉はいまいち?





 (11)





(12)山頂直下のはしご場付近にて。





(13)最後の登り。





(14)夜明け前





(15)複数のテントです。奥にもう一張りで計4張り。





(16)山頂から尾平方面





(17)





(18)障子尾根の紅葉





(19)池の原展望台で休憩中






(20)稜線を歩く・・・





(21)大障子岩より





(22)同上





(23)障子尾根北側。もう少し綺麗になるかも





(24)クーチ谷、愛しの滝付近





(25)山頂にて





(26)