「・・・」は祖母山に登れば登る予定でしたが、ご存知のとおり祖母山系は久々の大雪らしく縦走路には1m近い積雪との情報。おそらく踏み跡も無い状態にまともに突っ込んだらきっと山頂までは無理と想定、山頂に11時を目安に到着出来ない場合は潔く下山と決め5時30分に尾平を出発しました。淡い期待としては、先行者がいて祖母山まで道を開けてくれていることですが、遭難騒ぎと1mの積雪となるとそれも厳しいかと考え、アイゼン+スノーシューを抱えて暗い登山道を歩き始めました。 800mポストまでは日当たりが悪い場所で雪が残っていますが大した雪も無く通常のペースで標高を稼いでいきます。900mを過ぎると安定して積雪が見られ、先行者の足跡も確認できます。 1,200mを過ぎた辺りから標高100m当たりに要する時間が増え始め、1,300ポストから縦走路まで2時間以上掛かりました。一応、踏み跡らしき跡も見えますがほとんど新雪状態だったこと、1,500m前後から縦走路まで踏み跡も見えなくなり、目印も同様です。下山時に縦走路からの目印を頼りに下り始めましたがこれも途中でアウトとなり、自分が登ってきた踏み跡を折り返す結果となりました。 本日の標高別積雪量 900m=5cm〜 、1,000m=10cm〜 、1,100m=20cm〜 、1,300m=30cm〜 、 1,400m=40cm〜 、縦走路=60cm〜 あくまでも目安で吹きだまりやスズタケが倒れその上に積雪した場合はそれ以上の量に感じることになると思います。 また、装備は1,200mポストでスノーシューを装着しましたが、標高、傾斜が厳しくなるとどうも具合が良くないので、1,400m手前でアイゼンに変更しました。下りは、アイゼンのみで下山でした。 積雪量は、10日以降も寒波が継続することを想定すると新雪により1,400m以上はちと厳しい状況になるのは必至で、それなりの装備と覚悟と判断が要求されます。下山して気がついたのですが登山口のトレイに「入山規制」の張り紙がありました。 縦走路に着いたのが10:30。11時に祖母山頂は無理と判断し縦走路近くの展望台で景色を楽しみ下ることにしましたが、展望台に行くまでも雪とスズタケで結構なアルバイトです。当然、気になる縦走路の状況ですが膝上まですっぽりはまります。祖母山側は踏み込む気にもなれない状態でした。 さて、年末年始の遭難でピックアップされた場所が天狗岩の近くと報道されていましたが、実際にビバーグしていたテントは尾平から登ってきた道が縦走路と合流した場所に設置されていました。ということは、黒金尾根を下るつもりでここまで来ていたことになります。上述したようにここから本来のテープに従って下ってもテープを見失い、登山道をスズタケが覆いまともに下れず、黒金尾根を無理に下るとことに危険を感じて救難要請だったのでは、と感じました。登山道の整備が充実した山であればひょっとしたら回避できた「遭難」であったかもしれません。 「遭難」については様々な批判、批評がなされますが、その現場を見て登った方の装備と判断、登山道の状況、天候等々多面的に考える良い機会でした。 下山していると自分と同様、単独で登ってこられ行ける所まで行きます、とのこと。自分が付けた足跡が随分役に立ったようでした。 (2011.1.8) |
(1)登山口のトイレ兼休憩所に張ってあるのを 下山時に気がつきました。 (2)川添いの日当たりの悪い場所ではうっすら雪化粧。 |
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(3)本日一番緊張(?)した橋。 (4)1,100m付近。 |
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(5)1,200m。ここでスノーシューを装着。 この後、積雪量は増えていきました。 |
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(6)倒木に積もった雪は25cm位。 |
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(7)1,400m付近。 |
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(8)1,500m。 雪に倒されたスズタケで登山道もはっきり解らない状態です。 特に、1,500m以上は要注意です。 |
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(9)振り返った状況。どこもスズタケに見えるし、登山道にも見えます。 しかも、日頃は見えるはずの目印が殆ど見えません。 (10)縦走路直前。完全に登山道から外れてしまい、 本来の場所から少し天狗岩よりに出ました。 |
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(11)縦走路に到着 |
雪の無い時期 |
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(12)展望台へ 60〜70cmほどの積雪です。 |
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(13)ここからは展望台からです。 大障子方面 |
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(14)阿蘇山も綺麗に見えます。 |
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(15)普賢岳じゃ〜、 そよかぜ姉さ〜ん、山馬鹿さ〜ん |
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(16)綺麗な祖母山ですが、縦走路は大変なことに・・・ |
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