祖母山のオオヤマレンゲもそろそろ咲き始めです   

 年末も迫り残す所あと3日。そーなると今年最後何処に登るかは重大な課題でありまして、慎重審議の結果、祖母山朝駆けであります。由布岳、くじゅう連山での朝駆けはこれまでも何度と無く実施してきましたが、祖母山は登山口まで遠いこと、さらに、山頂まで時間がかかることから、なかなか踏み切れませんでした。
 今回、この時期の夜明けが7時過ぎということもあり、いっちょ登ってみるか〜、のノリで、尾平登山口から3時間ちょいで登ることが出来る宮原コースをチョイスし祖母山頂のご来光と障子岳への縦走路の霧氷を狙うことにしました。。
 ちと、心配なのはこれまで2回連続して朝駆けを撃沈していることです。特に、前回のくじゅうは寒波の中の山行とありかなり寒い思いをし、2度目あることは・・・or 3度目の・・・さて、3度目の結果は?

 尾平登山口に4時前に到着し外に出てみるとゴーゴーと風の音が谷に響いています。うーん、真夜中の風の又三郎・・・なんて、文学的なことを考えてる場合ではなく、山頂は大丈夫なんやろーか、先日のくじゅうの二の舞?、でも山に入れば風は止むかぁ、などと準備を整え4時過ぎに尾平登山口を出発しました。うっすら見える祖母山頂方面はどうやらガスのようです。まず、宮原ルートは通常の登山道コースと林道コースがありますが、時間が短いとの看板を見て真っ暗な中、お初の林道コースを選んでしまいました。特に、間違うことも無く登りましたが、朝駆けの場合、お初コースはやはり不安です。

 標高900m付近からうっすら雪が登山道を隠し始め、1200mを越えると積雪。縦走路に出るとしっかり雪がありました。この辺りまでは前日28日の雨(雪)のせいで、低い所は積雪の表面が堅く、高い場所(特に縦走路)ではそのまま雪が上乗せになった状態で表面は堅くありませんが、登山道の積雪は20(〜30)cm程度あります。おまけに、スズタケが雪の重みで縦走路をふさぎスズタケのラッセルです。結局、雪が増え始めた標高1200m付近から登高ペースが下がり縦走路に着いた時点で山頂での夜明けを断念、馬の背までなんとか目指すことにしましたが、積雪とスズタケの猛攻に遭い本来最も距離を稼ぐことが出来る場所で一番、時間を食ってしまいました。

 それでも、馬の背までは概ね夜明け前だったようで、時折朝日が霧氷の山肌をぼんやりと朝焼けで照らしてくれます。が、山頂方面は以前、ガスで覆われ9合目小屋も見えません。馬の背付近で1時間程度夜明けを眺めてから9合目小屋に8時過ぎに到着。ひょっとしたら、だれか泊まってるかなぁ、などと思いましたが足跡もありません。閑散とした山小屋に入りしばし休憩です。久々の積雪のある登山道とスズタケのラッセルとの格闘に全身お疲れモードで、こうやって今現在レポを作成していても上半身が普通とは違った疲労感です。

 さて、9合目小屋を後にして9時20分頃山頂に到着するも、今回の一番の目的だった障子岳へ尾根の樹氷はみることが出来ませんでした。山頂の気温は氷点下7.5℃。25日のくじゅうの風と寒さに比べればまだマシでそれほど寒さは感じません。でも、スポドリは美味しそうなシャーベットになってます。
 山頂も時折、青空が見えたり陽が差したりしますがタイミングがうまく合いません。諦め掛けて下ろうとすると綺麗な青空に霧氷の切れ端が飛んでいきます。山頂に1時間以上滞在し障子岳への尾根方面が晴れるのを待ちましたが希望かなわず所用もあるのでこのあたりが限界と判断し下山開始です。

 この頃から次第にガスが晴れ始め、9合目小屋あたりの霧氷が群青色の青空に霧氷が映えて綺麗です。この時期の空は特に青く、こんな青い空があったんだ〜、とただただ見上げ、溜息とも感嘆とも解らない声を一人山の中であげてしまいます。この調子で馬の背あたりまでシャッターを切りながら下っていきます。さすがに下りなので足元はだいぶ楽になりましたがスズタケのラッセルに要する労力は行きも帰りもあまり変わらなかったように感じました。宮原分岐で合羽、フリースを脱ぎここからは下山モードです。

 そーいえば、今日は誰にも会わなかったし、昼前に遭うとすると本日、山小屋泊だけど明日から寒波で厳しい天気予報なのでついに誰にも会わなかったなぁ〜、と思ってどら焼きを食べながら休憩しているとなんと、登ってきました。聞くと、本日9合目小屋泊で明日は傾きまで歩く予定で、ただし、天気が気になるなぁ・・・とのこと。雪とスズタケと格闘してきた自分としては、マジっすか〜とも思いましたが、世の中常識では考えられない方もいらっしゃるので案外今日あたり、悪天候の中傾きまで行ったのかもしれません。その後、親子連れの方が登って来られました。
 下山して尾平登山口で見かけた車は自分の車も含め3台、ということは4人だけだったようです。年末の気ぜわしい時期と翌日から寒波到来ということも含めた結果かもしれませんが、この時期の祖母山系、もう少し歩いてみたい気がしました。
 結局、2度あることは3度ある、結果と相成りましたが、この時期の祖母山を堪能し綺麗な霧氷鑑賞もできたので良かったかなぁ、と思いました。3度あることもう一度、という言葉もあるらしいので、次回もそーなのかなぁ、と覚悟はしています。

 ということで、本年2010年の山も祖母山で終了した次第です。
 今年も色々な山に登り、色々な方とお会いした一年でした。こうやって、HPを更新できるもの皆様や家族のお陰と感じております。本年、当HPをご愛顧頂きありがとうございました。そして、一年大変お世話になりました。そして、2011年も良い年でありますよう祈念して今年の最後のレポを終了します。 (2010.12.29) 



 






 (1)ガス越しの朝焼け。ガスの向こうには祖母山頂のはず。
 




 (2)谷には朝日が差し込んでいました。
 




 (3)9合目小屋。足跡はありませんでした。
 





 (4)スズタケに降り積もった雪。縦走路ではこんな状態をラッセルです。







 (5)祖母山頂。時折晴れ間がありました。




 

 (6)山頂付近にて






 (7)ガスが取れ始めました。
  



 

 (8)天場にて。




 


(9)縦走路にて






 (10)雪でスズタケが縦走路を阻みます
 




 

(11)くじゅうとは違う霧氷






(12)祖母山頂もそろそろ見え始めました。





(13)






(14)






(15)尾平から見上げた祖母山。






(16)こんな具合で今年最後の山行も終了です(宮原分岐にて)。
それでは良いお年をお迎え下さい。