縦走路は野趣溢れる道でした   

 この山域の東の最高峰桑原山の北側に位置する「七年山」。
 標高は1032mですが、その名前とここから桑原山へ行けそうな感じがして以前から情報収集、いくつかのレポも拝見し今回登ってみることにしました。本当は、最近登山道が再整備された隣の「木山内岳」にも登りたかったのですが、まぁ、メジャールートでもあるしアケボノツツジの頃でもいいかぁ〜、ということで、まずはレポが少ない七年山に取りかかりました。

 当初は以前発電所手前の尾根から取り付くルートを整備したレポを拝見したので、ここから登ろうと思ったのですが、なんせ、登山口付近に着いたときはまだ暗く看板を見落として、結局「奥ヶ迫林道」入口にあった看板に誘導されて林道の入口から2kmほど登った場所から登ることになりました。

 ルートの概要、感想です。
 一応、登山道らしい踏跡がありますが、赤テープが無いとちと不安で、正直、予想外の里山登山ぽいルートです。特に七年山までは赤テープが見えなくなったら良く探して登らないとちと不安です。ちなみにピンクのテープもありますが、どうやら赤テープが正解のようです。
 七年山〜桑原山までは赤テープが少なく、等高線から見ると穏やかな尾根道かと思いきや、これがまた、危ない岩場があるわけではありませんが、鋸みたいな尾根で地図には読みとれないアップダウンルートで、ピークをトラバースする場所で足場が良くない箇所があり注意を要します。
 さらに、万次越から桑原山への縦走路に出る最後の登りは明確な尾根が無く、極端に目印が少なくなるため地図、コンパス、できればGPSが欲しいところです。いずれにしてもガスで見通しが効かない、滑りやすい気象条件の時は避けた方が良いし、里山やぶこぎ登山に慣れていない方の単独入山は避けた方が無難かと感じるルートでした。

 以下、レポです。
 今回、登山口としたのは奥ヶ迫林道から2kmほど登った場所にプレハブの作業小屋があり、この先の木の少し高い場所にオレンジ色の登山口の看板があります。まずは杉を3本束ねた橋で川を渉り5分ほど杉林を歩くと次の川に突きあたり50m程川沿いに登り川を渉ります。ここには橋はありませんが水量が少ない場合は問題ありません。しばらく川に沿って歩いた後に杉林の中を登っていきます。杉林の中には赤テープとピンクのテープがありますが、赤テープが正解かと。

 杉林に次第に雑木が混じり始めると、一応人が通れるくらいに刈り込み赤テープも密に付けられていますが、藪こぎ状態となり赤テープを見落とさないように登っていきます。 次第に斜度も急になり四つん這いになって登るようなところを通過すると、看板が設置された松に到着します。ここからは万次越方面が見えます。
 ここを過ぎると、岩が多い尾根(でも危なくありません)を通過すると目の前に岩が立ちはだかり、これの左側を巻いて登ると間もなく赤と黄色のテープが賑やかに巻いてある木が数本あるT字路に到着します。ここから左に100m程で七年山山頂です。特に、景色もあるわけでもなく小さい看板があるだけでした。登山口から90分でした。
 なお、北西方向の少し下った場所に北口へ下る看板があり次回の宿題です。

 一旦、来た道を引き返しいよいよ桑原山への縦走です。地図で見る範囲では、たおやかな尾根歩きかな〜、と期待していたこともあるのかも知れませんが、アップダウンが多く、登山道もピークを踏める場所は赤テープでピークに誘導していますが、ピークを通過出来ない場所は当然トラバースしています。トラバースに関してはほとんどが西側斜面(登りでは右)を通過しています。場所によっては足を滑らせるとかなり落ちる(落ちそうな)場所もあるので慎重に足元、捕まる木々を確認しながら登っていきます。特に、2箇所ほど危ないかな〜、と感じた次第です。逆に、場所によっては景色の良い場所もあり、特に延岡市方面を含め海が見えました。

 七年山から80分ほどで尾根道も次第にたおやかになり、一息つきたくなるフラットな場所に出ます。ここから桑原山山頂まで250mでうち最初の200mは急登で、しかも目印が少ないとあって、ここで山頂手前の肩に向けて方向を確認して急斜面を登っていきます。次第に枯れたスズタケが増え「なんとなく道」を確認できますが、基本、現在地を確認しながらの行動となります。少し間隔が開きますが赤い布の目印もあります。この急登をあえぐこと30分、万次越からの道に合流すると10分ほどで桑原山山頂となります。下山も同じルートを戻りましたが、やはり地図10〜11区間は間違いやすい、トラバース地点はやはり歩行には要注意でした。
 
 山頂まで記録を付けながらとはいえ3時間半と予想外に時間がかかりましたが、これは七年山から桑原山まで、特に途中の尾根道は予想外に手こずったかな〜、と感じました。帰りは2時間40分、合計6時間を超える長丁場で休憩を含むと7時間、たっぷり、野趣あふれる山旅で、登山道を歩くというより山を楽しむといった印象のルートでした。
 
   登った高さ 1,000m位  歩いた距離 8.7km  時間 7時間(休憩含)

出発地点 到着地点 所要時間(分)
1.登山口 3.松 50
3.松 6.T字路 30
6.T字路 7.七年山
7.七年山 10.コル 80
10.コル 11.合流地点 30
11.合流地点 桑原山 10
桑原山 1.登山口 160
    時間合計(休憩除) 365
    参考:全所要時間(休憩含) 420

  


 (1)
 奥ヶ迫林道入口。←方向に進みます。
 右に行くと藤河内ユートピア方面、直進すると藤河内渓谷です。




 (2)
 林道入口と看板。

 (3)
 写真(2)の○の中のアップ。この看板に誘導されて本日の登山口となりました。




 (4)
 地図「1.登山口」付近
 右にプレハブ小屋があり道は右にカーブ。このあたりを見上げると木に登山口の看板が設置されています。
 

 (5)
 地図「1.登山口」
 看板と川に向かって明瞭な踏み跡があります。 
 




 (6)
 すぐに川を渉ります。
 

 (7)
 地図「2.徒渉」
 次の川に突きあたり50m程川に沿って歩くと次の徒渉点となります。目印があります。

 


 (8)
 渉りきって振り返ったところ。点線が徒渉のイメージです。

 

 (9)
 杉林を登ります。ピンクと赤のテープがありますが、赤が正解のようです。




 (10)
 杉の木が若くなり、雑木が混じり始めると藪こぎチックになり、歩きにくくなります。特に下山時は藪こぎ状態でした。赤テープは密になるので見落とさないように・・・


 (11)
 地図「3.松」
 看板が付けられた松があり、この辺りから万次越え方面の展望が開けています。




 (12)
 地図「4.岩尾根」
 岩尾根がしばらく続きますが危険はありません。
 



 (13)
 地図「5.岩場」
 岩尾根の最後に目の前に岩場が現れ、左側に迂回して登っていくと間もなく、七年山と桑原山をつなぐ尾根に出ます。




 (14)
 地図「6.T字路」
 尾根に出た所には赤テープを3本ずつ巻いた木が3本あり、七年山は左折(北)、桑原山は右折(南)へ。

 (15)
 「6.T字路」から5分ほどで七年山の山頂で、特に景色はありません。

 


 (16)
 地図「7.七年山」
 

 (17)
 結構このような岩があり、のっこしたり、迂回したりしながら桑原山へ向かいます。






 (18)
 本日は透明度が高く、由布岳や鶴見岳がはっきり見えました。

 (19)
 多分「地図8」地点から・・・





 (20)
 地図「10.コル」に近づくとようやく道もたおやかになります。





 (21)
 地図「10.コル」
 フラットでほっと一息できる綺麗な森でした。
 でも目の前には最後の急登が待ち受けています。






 (22)
 コルからの急登は上になるほど枯れたスズタケがあるため、
踏み跡(らしく見える)と赤布を時折見かけました。でも確かに地図「11.合流地点」に向かっています。

 (23)
 地図「11.合流地点」
 万次越から桑原山への縦走路に合流。








 (24)
 桑原山山頂より

 (25)
 桑原山山頂から見えた延岡市中心部





 (26)
 下山時に見えた七年山方面

地図「10.コル」にて