祖母傾山系の大分県側から登る主要ルートを紹介してきましたが、最後に残ったのが「官行ルート」です。残った理由は三ッ尾から上畑方面からの登りと合流して、これまで何度も歩いたことがある三坊主ルートになること、さらに、これを往復することになることを考えると、少し二の足を踏んだままになっていました。今回は、やり残した宿題を抱えたままの状態では・・・と思い約2年ぶりの傾山山行となりました。それと、3年前に祖母傾の縦走に備え購入した某国メーカー(メイドイン中国)のザックのベルト類の崩壊が急激に進み、山行中に「ぶっち!!」と切れたり、「バッキ」と折れたり、ついにザックを新調することにしました。 今回は純粋な国産を購入(旧モデル、割引)したので、これの初仕事も兼ねております。本題に入る前に、さすが国産、当たり前といえばそこまでですが、良い仕事をしてますね〜。加えて、輸入コストやマージンがかからない分、定価も安く、さらに今回は割引で某国メーカー定価の半額で済みました。製品の作り込み、使い勝手、背負い感等々、全く問題ない使用感でした。もう少しポケットが欲しかったところですが満足しています。 本題に戻ります。 官行ルートの登山口は県道688号(豊後大野市清川町)から「大白谷林道」を5〜6km程進むと道路の山側に看板や登山届けなど賑やかに立っているので直ぐに分かります。ただし、未舗装で途中も荒れ気味の場所、落石なども多く林道入口から登山口まで普通車では20〜30分ほどかかります。駐車スペースは登山口の前に数台、少し下った場所に数台停めることができそうです。 登り始めはやや急登ですが、20分もするとその昔、トロッコ列車の軌道があった(らしい)やや広い道に出ます。崩壊した場所もありましたが概ね1〜2m程の幅があり場所によっては石垣が組まれているところもあちこちありました。途中、山に取り付くような方向で、看板が設置されていましたがここは単純に軌道後が崩壊したための巻き道です。 造林小屋の跡等を通過しながら、次第に左側に川の音が近くなると平行移動の軌道跡も登山口から約1時間で終了、川が見えると早速、徒渉です。 この後も川の水量によりますが今回は支流の流れ込みを除き、水が流れている箇所を4回ほど渡りました。たまたま、前日が雨だったこともありますがそこそこの水量が流れていました。従って、大雨の後に登る場合は注意が必要なルートでもあります。 しばらく、川に沿って杉を中心とした林の中、テープを確認しながら登っていきます。枯葉の多い時期の特徴かもしれませんが踏み後がやや不明瞭な場所が多く、テープ頼りの場所も多く感じました。もし今後、このルートを利用する場合は赤テープを1〜2個持参することをお勧めします。 登り始めて1時間30分を過ぎた辺りから、ブナ、ミズナラ、ヒメシャラ等の木々が気持ちよい間隔で立っている綺麗な森に出ます。今回の収穫を挙げるならこの森かなぁ、と感じました。出来ることなら、テントと本を持ってぼーっとしていたい場所であると共に、何か、想像をかき立てられるような場所でもありました。 ここを過ぎると急登な谷を登り詰め、三ッ尾に到着です。ここまで、取材、休憩を含めちょうど2時間。ザックは山小屋1泊程度の重さです。三ッ尾に着いて、そー言えば、坊主を歩くのは久々やな〜、と思いHPを確認するとほぼ2年ぶりです。それなら、三坊主往復も良っか〜、と訳のわからんノリで歩き始めました。さほど、緊張感も無いのですが、記憶がいい加減なのか、コースが微妙に変わったのか、それなりに新鮮に感じると共に、以前より三ッ尾から傾山山頂が遠いとは感じませんでした。ただ、下山後、足がいつもより疲れていること、腕と肩が痛いのはやはり傾山を歩いた証のようにも感じました。 今回、ひょっとしたら雪があるかも、と考えアイゼンを持参しましたが、ほんの片隅に雪らしい痕跡と霜柱とつららが下がっていました。 山頂では、片手で余るほどの登山客で、そのほとんどは恐らく、黒仁田方面からで三坊主越えは自分ともう一人だけでした。結局、山頂以外ですれ違う方は無く、静かな山行となりました。 登った高さ 1,500m程度 歩いた距離 15.1km 所要時間(休憩時含) 500分位 |
※ 荷物は15kg程度。 ※ 登った高さ 1,500m位 歩いた距離 15.1km |
(1) 県道688号から登山口への入口。 |
(2) 写真(1)の○の中のアップ。 |
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(3) 写真(1)の道路際の看板。。 |
(4) 地図「1.登山口」 登山届けの箱や登山の注意の看板等々見ての通り、賑やかに立っているので、登山口は直ぐ解ります。県道から5〜6km程度、未舗装なので20〜30分程度かかります。 |
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(5) 地図「2.軌道跡へ」 ここから約40分、トロッコの軌道跡を平行移動です。 |
(6) 写真のように石垣が組まれています。 |
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(7) 地図「4.小屋跡」 小屋の跡。そばには川が流れています。ここを過ぎると次第に川音が近くなります。 |
(8) 右側が壁、左側が谷、間もなく軌道跡の登山道が終わります。 |
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(9) 地図「5.軌道跡終了」 軌道跡が終了するとすぐに川を徒渉します。 ここからは、川沿いにテープを頼りに登っていきます。 |
(10) 地図「8.徒渉点」 ここまで来ると水量も少なくなりました。 |
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(11) 地図「9.美林」 この前後の森は本当に綺麗でした。 |
(12) 三ッ尾直前。 |
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(13) 地図「10.三ッ尾」 ここで上畑からの道に合流すると共に、いよいよ三坊主へ向かいます。 |
(14) 所々で雪が散見されました。 |
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(15) 谷の合間から見えた祖母山への縦走路 |
(16) 壁一面につららが下がっていました。 |
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(17) 坊主尾根から見えた祖母山、大障子。 |
(18) 山頂より |
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(19)三ッ尾から大白谷方面への下り始め |
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(20)美林地帯1 |
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(21)美林地帯2 |