1時間程度のハイキングウオーキングです 

【8月3日 2日目 剱岳山頂へ】
 予定していた時刻より遅く起床したこと、昨日食べた味付きのアルファ米で胸焼けして気分も悪く食欲も今一つだったので、まぁ、標高差で800mほど、2時間程度かな〜と水とアミノ酸だけ補給して4時30分過ぎに出発しようとした時に、お隣のテントの方から「よろしければ一緒にのぼりませんか?」と声をかけられ、断る理由もないし、昨日から簡単な会話を交わしていたので同行することにしました。皆さんの期待とはうらはらに男性です。

 登りながら話していると、富山市内の方で早月尾根は初めてとのことで、どうやら自分がこのルートを知っていると思って声を掛けたようです。自分も大分から初めての遠征でこのルートを登ることを告げ、2人でルートを確認しながらの登山となりました。お互いが初めてなのでむしろ、あっちだ、こっちだ、と言いながら高度を稼いでいきます。

 今回の山行にあたり早月小屋のHPで「アイゼン、ピッケル不要になりました」との記載があり、あまり深く考えていなかったのですが、同行された方の話に寄れば7月までかなり雪が残っていたため、アイゼン、ピッケルを携帯していなかった登山者は早月小屋で「強制送還」されたそうです。小屋の従業員が「2,600m付近の雪は今年は溶けないですよ」、すかさず工事現場の監督風の主人が一言「溶ける」・・・

 早月尾根から上は昨日の森林浴の景色とはうって変わり「お〜、北アルプスに来たぜ〜」眺望で高山植物あり、雪渓ありとここからはなかなか九州では味わえない景色です。登山道も岩場、ザレ場、山頂に近くなると鎖場頻繁となりますが、これはこれで楽しくもあり、昨日の疲れに加え低酸素のせいか体が重く感じるも楽しく登っていきます。山頂に近付くと前剱や剱沢方面の景色が素晴らしく遠方には富士山もくっきり見えます。

 それより何より、昨日から登ってきた馬場島方面が見え、その高度感は本当にここまで登ってきたんだ〜、一気に早月川へ下り落ちる尾根を眺めておりました。山頂手前では前剱方面から登ってこられた方と合流、山頂ではすでに20名は居たように思いましたが、思い思いに山頂の看板を持って記念撮影です。最初は、止めとこうと思いましたが、昨年からの思いやいつまた来れるか、と思い、一緒に登った方に撮影をお願いした所です。

【馬場島へ】
 下山時はゆっくり景色と高山植物を楽しみながら下る一方で、今からテント等々を撤収して馬場島まで一気に2,200mを下ると思うと内心穏やかではありません。前日から感じていることとして、当初は「暑い」と思っていたのは恐らく光線が強く「痛い」と感じていたのかもしれません。贅沢な悩みかもしれませんが、天気はピーカン、その下で撤収作業は暑いというか痛いというか・・・とにかくパッキングが終了してからコーラを飲みながら小屋の日陰で体を冷やして下山する準備をしていました。

 その少し前に合宿と思われる高校生集団が登ってきて、ザックに掛けた看板を見ると佐賀県の高校で、思わず「九州じゃん!」。コーラを飲みながら雑談していると、隣のご夫婦は現在は大阪在住ですが以前は小倉に住んでいたとのことで、ここまで来ると九州人として盛り上がりました。紅一点の女子部員がいましたが、「山ガールではなく山女になりたい」、すかさず「なるなら山姥!!」 しかし、高校の合宿とは言え3泊4日の北アルプス縦走とは羨ましい次第です。

 体も冷めてきたので1500m下の馬場島に向けて出発です。予想はしていましたが、さすが土曜日。多くの方が登ってこられます。アケボノツツジの頃の祖母山系といったところですが、ほとんどの方がテント泊装備でしかも女性のソロもそれなりに目立ちました。
 早月小屋から下り初めて約3時間半、無事馬場島に到着、まずは馬場島荘の方に無事下山したことを告げると、「リベンジできて良かったですね〜」と言いながら注いで頂いた冷たい水が本当に美味しかったです。

【エピローグ】
 昨年からの目標であり本年は「勝手に生誕50周年事業」として早月尾根を経て剱岳を歩くことができました。
 一方で頭の中で整理できていないのですが、ぼんやりとした消化不良感を拭えないのも率直な感想です。それが、なんなのか・・・ 直前のトレーニング不足によるイメージした歩きが出来なかったことなのか、新たな登高欲と頑張っても年に1、2回しか行けないというフラストレーションなのか、今後、九州の山をどう歩くか等々・・・その回答は北アルプスにあるのかもしれません。
 下山後は、北陸山行の口実でもある金沢に住む息子の様子を見に行くということで、金沢市内で息子と合流、相変わらずマイペース(きっと父親似)なところは変わらず、豪華回転寿司で食事し一晩アパートの宿を貰い、元気に学生生活を楽しんでいる姿を確認して帰路に付きました。


出発地点   到着地点 所要時間
(分)
  時間合計(休憩除)
  参考:全所要時間




 (1)
 朝日を浴び始めた雲海を眺めながら登っていきます。




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 振り向いた早月尾根。高度を稼いでいきます。



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 標高2,600m




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 唯一、雪上を歩きました。100m程です。

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 イワギキョウ


 (6)
 



 (7)
早月尾根方面のガスも晴れ始めました




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さらに高度を上げて・・・




(9)
岩場主体のルートになり、鎖も多くなりますが登る際はほとんど頼らなくても大丈夫です。




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雪渓




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分岐点。このあたりで一気に景色が北アルプスです。





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剱岳山頂





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早月尾根。早月小屋、馬場島荘も見えていました。





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富士山





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 ウスユキソウ

 


 (19)
 オダマキ

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 チングルマ


 

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 トウヤクリンドウ

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 下山中に岩場を登る方を撮影。結構垂直ですが鎖不要です。




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イワベンケイ
 




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チングルマ・果実




(28)
 早月小屋全容です。




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 この景色を眺めてから一気に下山開始です。

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ここまで来ると帰り着いた感、全開です。





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