鏡洲の森トレイル(宮崎県宮崎市)

 才乙(さいおと)ってどこよ。今回のトレイル大会が開催される集落です。
 広島県北広島町で島根県境に接する地区で会場となるユートピアサイオトはスキー場で途中にはレンタルスキー屋さん、集落の中にも民宿がありメインのお客は冬場のスキー客です。

 元々、西米良スカイトレイルとSAIOTO COLORSのどちらに参戦するか迷うも、数年ぶりで西米良村あげての応援が懐かしく西米良をポチりましたが、直前の台風14号の影響でコースが荒れ来年3月に延期。
 そんな時、すでに申込みが終了してたはずのSAIOTO COLORSが申込みを延長してたのでポチりました。

 今までの大会で40kmオーバーは無かったように記憶。部門は31km、52kmで珍しくストック使用可。これなら50km行けるかも・・・と参戦しました。 

【前日】
 さすがに日帰りとか車中泊は辛いので、会場から10分程度の民宿に宿泊。内容的にはふつーで今のご時世宿泊代40%OFF、クーポン1,000円とお得です。

 ほぼ、同じ時刻に到着した男女2名。食事中同席し聞くところによると会場のお手伝いらしいけど、話している内容が業界っぽい感じ。そして、当日は完走証発行を担当されてました。今回の大会で初めてだったのはリストバンドにセンサーが付いて、それを読み取る機械にタッチするいうもの。

 マラソンだと靴に付けたタグを自動計測しますがセットするのが大変そう。今回のシステムだと人間が機械にわざわざ当てる必要があるけど、トレランとか参加人数が数百人単位ならこれもありかな、と。

 トレランの場合、会場が山間部となるので、こんなことでもなければ行かない場所に行くきっかけを提供してくれます。今回の才乙地区もこの大会が無ければ無縁な場所。前日、会場の確認をしながら通過した景色はとても綺麗な里山と集落。
 里山は紅葉真っ盛り。日頃黄色主体の紅葉はあまり綺麗に感じなかったけど、ここの黄葉はみずみずしい印象でした。

 道沿いにはりんごの無人直売所。へ〜、と思いながら少し小ぶりなりんごが10個ほど入って500円。帰宅して丸かじりすると、とてもジューシーで味もしっかりしてる。この地域の気候のお陰かなぁ。
 
【大会当日】
 民宿は会場に向かう道路沿いにあり、4時前から頻繁に車が通過していきます。ということでそろそろ準備をしなければ。
 前日の夕食時におにぎりをお願いしてたら、ちょうど良い感じの大きさでラップに包んで頂いてました。おにぎりを頬張りながら準備です。

 自分の隣の部屋には仏壇がありとても大事に扱われていることが見て取れます。なにげに遺影をみると戦死されたような方も。立ったままですが合掌。仏壇のある家に育ったモノとしては隣に仏壇があると見守られてる感があります。

 車の温度計は2℃。天気予報とおりの寒さである。どんな格好でスタートするか思案のしどころだけど、とりあえず手袋とウインドブレーカーは着ておこう。出場者は31k、52kあわせて100人程度で52kの方が多いらしい。

 人数もその程度なんでウエーブスタートなしの一斉スタートです。今までの大会の中でも最少だったかも。
 そのせいか早い段階でひとり旅となり、ヒトを見かけるのはエイドくらいでした。そのエイドも多くて10人程度と和気あいあいとしてます。

 エイドのこと。全部で3カ所なんですが、最初が15k地点で柿の種と水分、20k地点はもみじ饅頭、おにぎり、バナナ、みかん、うまい棒、具無し味噌汁などなど、水分もペプシコーラもあり充実のラインアップ。しかし次のエイドがなんと45k地点と25kの間にエイドがないという厳しいエイド設定、つい多めに食料を詰め込みましたがほとんど残ってしまいました。

 エイドのおにぎりは通常の倍の大きさ。休憩してると若い女性がおにぎりを頬張りながら「食べておかないと」、登っていきました。確かに。 それと塩分補給にとだし入り味噌を溶いただけの味噌汁もあり、FDの味噌汁を塩分補給にと考えていたので自分的には嬉しかった(^^)

 コース全般でいうと山頂に登るときは県堺なもんでジグザグは無く直登一直線の急登の一方で下りは緩傾斜で走りやすいトレイルが多かったです。これが逆のコースだともっと時間が掛かったかも。

 こちらの山を眺めて感じたのは熊笹が樹林下を覆い森全体が豊かな印象です。地形のせいなのか熊が住んでるせいなのか鹿の被害も九州に比べると軽微な印象で九州とは違った生育相は新鮮でした。
 
 コース断面図を眺めて辛い場所と想定してたのは最後の登り。最初の下りにもなるわけで景色は絶景だったけど激下りの現場で、帰りはこれを登らんといけん(-_-) 案の定、最後のエイドで一休みして出発、最初の登りはなんとか足が動いたけどその後は、全く足があがらないどころか倒れ込むこと数回、ヒトが多い大会では心配かけそうな状態です(^_^;)

 こうなることは想定内だったので気持ち的には慌てず、振り返ると真正面には今日の太陽が沈み掛けてる。ここさえ過ぎれば最後の下り。ぼちぼち下ってると後ろから熊鈴の音。見ると女性ランナーが待機状態だったので道を譲ると猛然とダッシュで下っていきました。

 ゴール後、「ありがとうございました〜、日が暮れる前にゴールしたかったので」とのことですが、なかなかの走りっぷりでした。その方の走りを見て、時計を見て気が付いたのは走れば11時間切るかも〜 切れなくてもそれに近いはず。
 お陰様で、ゴール前の写真を撮っても余裕で11時間を切ることができました。

 ゴールして振り向くと満月が皓々と東の空に輝きを増し夜の帳が下がり始める時間帯。ほぼ同時刻でゴールされた方もヘッデン付ける前に戻って来れて良かった、と。熊いるし、途中登山道の脇でケモノの気配がしたけど何だったかな〜(^_^;)
 体が止まると急に寒さと疲れで「頭が回らん」と口走りながら、着替えをすませ帰路につきました。

 ストックの使用OK、車道、林道区間も多いコース設定ではありましたが、今までココロに引っかかっていた距離の壁を外すことが出来た思い出深いレースとなりました。(2022.11.6)
 
 【データ】距離 52km  累積標高差 3,100m(主催者公表) 
【服装】ランニングシャツ+半袖、ランパン(パタゴニア)、靴下(Xsocks)、靴(アシックス)、アームスリーブ、靴下
【持ち物】ザック(15L)、ソフトフラスコ(500ml×2)、ハイドレーション(1.5L)、ヘッデン2個、エイドキット、イマージェンシーシート、半袖ダウン、食料(せんべい、鶴の子、黒棒、おにぎり、ジェル、アミノバイタル)、ウインドブレーカー上下、手袋、帽子、スマホ、バッテリ、携帯コップ、Wストック、
【気象条件】
  天気 晴れ  6時:0.9℃  17時:10.9℃   風:東南東〜北西   風速:0.51〜3m
       ※観測場所 広島県大朝  標高399m

【地図はこちらから】







    
 (1)前日 今日(11/5)から発売のシュトーレンゲット。今年はオリジナルの袋入り(^^)




 (2)久々の九州脱出




(3)才乙地区の途中の里山




 (4)丸かじりサイズのりんご。ジューシーで美味しかった(^^)




 (5)前日の会場



 
 (6)31k、52k一斉スタートです。これでもスタートしてます




(7)まだ人がいる状態




 (8)最初のピークからは絶景です。帰りは地獄の急登(-_-)




 (9)最初のエイドは柿ピーと水分だけと厳しめ




 (10)里山の紅葉は見た目以上に綺麗です




 (11)おっと〜、普通に道沿いに立ってるし・・・

 



 (12)広葉樹林下、熊笹に覆われた走りやすいトレイル




 (13)冠山山頂。




(14)集落が見下ろせる場所。スタート地点が見えます。




(15)20km地点のエイドは豪華。バナナとおにぎりがでかい。




(16)フラットな場所は、こんな感じのトレイル。




(17)ここで半分・・・足が・・・しかもこの後は直線急登です。




(18)急登感ないけど急登です(-_-)




(19)山頂周辺は岩場です。




(20)山頂に立つと絶景です




(21)帰りたい時間帯。この先ショートコースとの分岐有り(^_^;)





(22)ブナの森




(23)阿佐山。△点が大きいので見ると一等△点。眺望はありません。




(24)でも山頂周辺も良き森。振り返って。




(25)毛無山




(26)快適な下りのトレイル




(26)黄葉。山の中腹辺りは綺麗だった




(27)45kエイド。基本20kエイドと同じ。ここで一休みして最後の急登へいざ〜




(28)ここで死にました(-_-)




(29)ここまで何度倒れ込んだことか。もうすぐ日の入り。




(30)まもなくゴール。写真を撮影してゴォ〜〜ル




(31)振り向くとライトの上には月




(32)なんとか戻ってきました




(33)九州に戻ってきたぞ〜




(34)おみやげ




(35)完走証。塗り絵ができます(^^)