前日の開聞岳に続き、宮崎県と鹿児島県の境にある韓国岳に登ることとしました。当然のことながらテント泊のつもりでえびの高原の国民宿舎そばの常設キャンプ場に着いてみると、管理棟やログハウスを改修中です。まぁ、テント張るだけならいいかぁ、と思いながら一応、工事中の方に聞いてみると、なんと夜は入り口に鎖で施錠するとのこと。でも、標高1200mではこの時期キャンプする人はほとんどいないし、改修するには妥当な時期でもあります。 「聞いて良かった〜」、と思いながら「さて、こりゃ、どこにテント張るかいな?」そー言えば、ここまで来る途中所々にパーキングエリアがあったことを思いだし、結局、極端に言えば道路脇にテントを張ることとしました。予想はしていましたが、夜になると車はほとんど通ることもなく道路脇にもかかわらず、静かな一夜を過ごすことができました。 朝、空を見上げるとどうやら天気予報どおり曇り空です。昨日からどこまで歩こうか、天気が良ければ新燃岳まで、そうでなければ韓国岳ピストンもしくは大浪池を経由を原則としていました。駐車場を7時過ぎに出発。韓国岳も合目の標柱が設置されていて地図に示しました。 登山道は2合目までは樹林帯ですが、3合目を過ぎると景色が開けて景色を楽しみながら登ることができます。2合目あたりから勾配が急になり概ね同様な勾配が6合目付近まで続きます。6合目を過ぎると韓国岳の火口にたどり着き、火口を覗きながら歩くことになりますが、あとで考えると6合目で1600mで山頂が1700mと100mの標高差の間に7〜9合が立て込んでいるということで、ちょっと笑いが出てしまう配分です。 8時30分前に山頂に着いて周囲を眺めると火口湖や火口跡があちこちにあり不思議な光景というか、平たく言うと穴ぼこだらけの火山地帯のまっただ中に立っているという、しかも韓国岳自体も火口の一番高い場所なので、山頂に立ったという実感が涌かないのという不思議な感じです。山頂でしばし考えました。新燃岳に行こうか、大浪池を回ろうか、でも天気が今イチやなぁ・・・、と思いながら火口に沿ってふらふら歩いていると、火口に沿って道があり、第3案として急遽韓国岳火口を歩いてみることにしました。 なんだか歩き始めると、マイナーコースなのかメジャーコースなのかよく分かりませんが、必ずしも良い道とは言えません。踏み跡はありますがどうやら鹿の獣道と入れ混じって時折、引き返すこともありましたし、道は場所によっては鹿の糞だらけです。韓国岳山頂の正面のピークまでは特に問題なく歩けましたが、一度コルに下り元の登山道に登る辺りが岩場と登山道が不明でテープもあまり無いなどで少々難儀しました。しかも、鹿の遊び場らしく獣道か登山道か解らない状態です。 韓国岳お鉢回りを楽しみ元の登山道に戻り、とことこと下り始めて、はたと気が付いたのはザックに結わえ付けてあったアイゼンが無い!3合目あたりまで下っていたので、6合目過ぎまでもどりお鉢回りコースを少し戻ってみましたがありません。ここは潔く諦めて下山しました。 そー言えば、山頂辺りに近づくと、桜島とその奥に昨日登った開聞岳が見え、懐かしくも感じました。今回は、たまたま鹿児島に行く機会があり便乗遠征とはいえ、どちらが主なのかわからなくなってしまった感がないでもありません。あっという間の2日間で、山に登り、人に出逢え、ハプニングも有りと充実した時間を過ごすことができました。 |
1.○合目の標高はGPSデータを地図から読みとった値です。 |
2.2合目を過ぎると登山道が次第に厳しくなり3合目を過ぎると景色が良くなります。 |
3.お鉢回りの難所は第2山頂(仮称)から6合目の間で、特にコルからの登りが難儀します。 |
(1) (2)の道添いの車が停まっている前に登山口となる階段があります。 |
(2) 道添いには20台程度止めることができます。 |
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(3) 左は硫黄山、右に行くと韓国岳へ。真正面には韓国岳が見えます。 |
(4) 2合目までは樹林帯の下を歩きます。2合目辺りから勾配は急になります。 |
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(5) 広い5合目。山頂は目の前に見えるが、あと半分かぁ、と思い山頂はもっと向こうにあるのか、とつい思ってしまう・・・ |
(6) 6合目を過ぎると登山道が溶岩のようになります。 |
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(7) 本来の登山道の上に火口に沿うように狭い道があり、どうしても覗きたくなる方が多いのか、ほぼ山頂まで道が続いています。 |
(8) 山頂からの景色。結局このあと一周することに・・・ 難所は正面のピークからコルからの登りです。 |
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(9) 山頂看板。 |
(10) 新燃岳、高千穂峰。穴ぼこだらけの山々だけに高千穂の峰が新鮮に感じます。 |
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(11) お鉢回りの最初はこんな感じで、プチ藪こぎです。赤テープも少なく時折獣道に入り込みます。 |
(12) 振り返ったところ |
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(13) とはいえ画像(8)の一番高いところです。一応ケルンが組まれています。また周囲にはミヤマキリシマも多く恐らくミヤマキリシマのシーズンは綺麗・・・ |
(14) (13)からどちらに下るのか明確な目印が見えないなか、岩場の右側と岩の間を縫うようにコルに下っていきます。 コルには火口に下っていく目印の赤テープが付けてあります。また、険しさ、ルートのわかりにくさは正面の岩場です。 |
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(15) なんとか登りついて振り向いたところ |
(16) もう少し、難所を過ぎて一息ついて振り返った韓国岳火口。 思い出に残る韓国岳のお鉢回りでした。 |
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桜島と開聞岳 |