天気予報とは違い良い天気でした

   

【プロローグ】
 山のトレーニングとして毎週2〜3日ほどジョギングをしています。昨年は「人生半世紀記念事業」の目玉として「祖母傾一日縦走」を行って、こりゃ、もう少し日頃走る距離を増やさなければ歩き続ける能力は伸ばないかも、と考え以前より長く走ることを心がけました。

 その結果が、反映されたかどうかは定かではありませんが、その一方で、レースに出ることでもう少し自分を追い込めるかな〜、と思い、まずはハーフマラソンを走ってみました。3回走った結果、タイムは概ね1時間40分程度。単純計算で2倍すると3時間20分でフルマラソンを走れることになりますが、それは自分がハーフマラソンを走った後、もう一度今のペースで走れと言われるとそれは当然無理でありまして、諸説を参考にハーフマラソンのタイムから推定すると、3時間40分程度が目安になりそうです。

【トレーニング】
 20kmは頻繁に走りましたが、マラソンには有名な「30kmの壁」があり、この距離あたりから体が動かなくなるようです。記憶に新しいのは福士加代子選手がハイスピードで30km付近まで快調に先頭を走っていたのに、急に足が止まり最後は競技場の中で転倒しながらゴールした場面が思い出されます。感動された方も多いのかもしれませんが、マラソンをされている方々からすると「長い距離の練習不足」との指摘も多かったと思われます。

 でもって、ネットで「30kmの壁」で検索すると表現の違いこそあれ「練習で30km(以上)を走りなさい」でした。レースまで1ヶ月ほどあったので、週1回、合計3回、30kmを走ってみました。
 1回目 快調に25kmを通過、次第に足が重くなり最後の2kmでペースダウン。
      帰宅後吐き気まで催す始末で塩分補給が不足したようです。
 2回目 初回よりペースを落とし、一応、走り抜くもタイムは前回より10分以上遅くなる。
 3回目 2回目とほぼ同ペースで走るも、あと2kmで足が止まる。
といった、状況で3回も「30kmの壁」を経験することができました(^_^;)。

 正直、このトレーニングが自信になったかというと、30kmの壁を3度も経験したことで、むしろ不安が増すばかりでありまして、公言は「サブフォ−」、日本語で「4時間切り」、本心はとにかく「完走」を目標としました。

【レース前】
 今回は嫁さんが応援団として同行してくれました。朝6時過ぎに家を出発、8時前に舞台となる竹田に到着。
 当日は、前日からの冷え込みが継続していて、足下の草木には霜が降りていました。天気はまずまず、昨日のような風も無くコンディションも良好、受付のため会場となる総合運動公園に行くとくじゅう連山が良く見えました。

【レース】
 10時スタートです。お初だったので適当な場所に位置取りスタートを待ちます。カウントダウンとともにスタートすると900人が一斉スタートなのでのんびりペースです。その後はぼちぼちペースを上げていきますが、基本登り坂が主体なので今、自分が走っているペースが適正ペースかどうか解らんところが悩ましいところです。

 登っている時に解らなかったのですが、折り返して下ってみると結構な坂だったことに気が付きました。山に登るのが本業のせいか、登る時は追い越すことが多かったのですが、下りになると抜かれることがあっても抜くことは殆どありませんでした。どの位登ったか改めて確認すると累積標高400m程でした。

 このコースは2回の折り返しがあり、2回目の折り返しを過ぎると間もなく課題の30kmの壁となり不安な気持ちで足を進めるも下り坂のせいか、それほど足が止まることもなく横に見える川を見ながら、あの淵には大物がいそうじゃ〜、などと。そうそう、登っている時は祖母山系が目の前に見え、祖母山は昨日の寒さのせいで白くなっていました。登りて〜、と、見上げていました。

 最近はフルマラソンでも女性の進出が進み、むさ苦しい男どもの中でちょっとした清涼剤でありますが、そんなこと言ってる場合ではないくらい結構早い訳で、特に、あと2kmのところで迫ってきた女性は、あっという間に自分を抜いていきました。また、競技場手前は泣くに泣けない急な登り坂でありまして、ここは疲れていても山の足のせいか、前方のランナーに追いつきました。ここで抜いた女性がトラックに入ってから怒濤のごとく追いついてきて、ゴールはほぼ同時となりました。

 目標としていた4時間を切ることができました。4時間走ってみて他人との競争というより自分との根比べ、30km過ぎると抜くといより相手が脱落していくサバイバルと感じたところです。

【水分・栄養補給等】

 雑誌等を読んでいると、ハーフと違い水分、食糧補給が後半の足バテ対策に重要であることを認識し、1週間前から「カーボローディング」(足の栄養備蓄能力を蓄えるため一時的に炭水化物の摂取量を減らし、レース3日前から逆に炭水化物を増やすこと)に取り組みました。が、炭水化物摂取増加日にたまたま職場で食べ比べのためご飯を炊いたことを良いことにバクバク食べたら胃もたれ、というなんともアホの典型みたいな状況になってしまいました。
 
 水分補給はハーフでは1〜2回程度ですが、今回は慎重を期して最後の給水所以外の全ての箇所でポカリを、また、適当な箇所で1/3にカットされたバナナを頬張りました(配っていたお姉さんが可愛かった・・・)。また、1週間前に立ち寄ったスポーツ店で見かけたマラソン栄養補給セットなるものを見かけたので、そのセットと同様のゼリー食を購入、走る前2時間、走る直前、20km付近で補給しました。そのためなのかゴールしても殆ど腹が減らず、ひょっとしたら食べ過ぎたのかもしれません。レース後昼食を食べたこともありますが体重はほとんど落ちていませんでした。

【給水所】
 給水所は水、ポカリの他にかぼすジュース、バナナ、オレンジ、おにぎり、飴なども準備していただき感謝感謝です。トイレの設置箇所も多く500m手前にはトイレ表示がありました。また、給水所の方々やボランティアが応援して頂くとともに、山岳コースにもかかわらずあちこちで応援を頂きました。

【コスプレ】
 物好きな方はどこの世界でもいるのでしょう。タイガーマスク、カッパ、イチゴ頭、幼稚園生などなど。決して早くありませんが周囲を和ませる効果は間違いなく、ヒーヒー言いながら坂道を登っているタイガーマスクさんには「タイガーマスク、頑張れ〜」と声を掛けると、しっかり手を上げて応えてくれました。イチゴ頭の方はゴール手前の動画をyou-tubeにアップしていて、その影を見た瞬間「お〜!イチゴ頭じゃ〜」。かぶり物で42.195kmを走りきる根性は凄い!!

【カメラマン】
 今回は嫁さんが応援団&カメラマンとして同行してくて、今回の写真のほとんどは嫁さんの撮影によるものです。前日、グーグルの航空写真を駆使して、コースと応援ポイントのレクチャーを行いました。嫁さんは作成した地図を元に、神出鬼没のカメラマンと化し、タイミングが良いのかどうか・・・嫁さんが「止まれ〜」の声に、4時間も走っているとちっとは止まって良っか〜、と足踏みしてポーズしたところです。

【レースあと】
 無事、ゴールした後嫁さんと合流する場所で日向ぼっこしながら着替えていると、隣に大学生が来たので「お疲れ様でした〜」から始まり、長崎県立大学の2年生でちょうど春休みだったので参加したとのこと。彼を見ていて、大学を卒業して30年ほどなりますが、ついこの前のように学生生活を思い出すと共に、ついつい昔話をしておりました。就職難らしく本人は消防士志望で周囲でも公務員志向が多いそうです。がんばれ大学生!!

【レースあと 2】
 帰宅後、なんだか後頭部を中心に頭痛を感じ始め、二日酔いの朝みたいな感じです。マラソンの影響かな、となんとなく想定し、早速ネットで検索するとやはり同様の現象を訴える方があり、塩類(ミネラル等)欠乏が主な原因のようです。まぁ、翌朝には頭痛は治まり一安心です。

【エピローグ】
 最終目標は?と聞かれると答えは「マラソン」ではなく、あくまでも「山」であります。が、その山のために、「マラソン」にも取り組みたいと思います。が、近くで参加できるような大会がしばらく無いことに気が付きました。とりあえず、当面は「つるみ岳一気登山」にカメラマン同行で挑戦する予定です。

   









 (1)霜。当日の駐車場付近にて






 (2)受付。テントの向こうにくじゅう連山が見えます。






(3)ゲートにて






 (4)神原渓谷を走るランナー。左が登り右が下り。





 (5)第2折り返し地点。





 (6)嫁さんに呼び止められ足踏みでポージング。




 

 (7)ゴールに向け激走! あと5kmほど。


 



 (8)左端の女性にこの後一気に抜き去られました。





 (9)まだ、昨年の豪雨の傷跡が残る川沿いの景色




 

(10)頂いた昼食





(11)頂いたTシャツ






(12)完走記録証