傾山・払鳥屋ルート(2007.5.3)

 杉ヶ越に引き続き、今回は払鳥屋ルートから傾山を目指しました。目的は当然のことながら未踏のコースを歩くことと、前回杉ヶ越ルートを歩いた時、アケボノツツジが咲き始めていたので、もう少し花を楽しむことができる、かなと思い本ルートを選びました。
 登山地図によれば登山口までは悪路との表示なので、祖母山北谷までの道程度を覚悟していましたが、かなり上のまで舗装されていました。まだアスファルトの臭いがしたのでつい最近、舗装されたようです。最後の800m程は未舗装で、本当にでこぼこの悪路でした。県道・杉ヶ越方面との分岐から登山口まで約9.8km(車での測定)で30分程度見ておけば充分でしょう。また、道は狭いので当然の事ながら運転には注意しましょう。

 前回、杉ヶ越を歩いた時は、地図の参考時間より大幅に上回ったので今回もそのつもりで慌てず歩いていると、案外時間通りがそれより早いペースで歩きました。その日の体調、気象条件もあったと思いますが、妙に納得したところです。さて、前回予想外に時間が掛かった反省も踏まえ、登山口を6時前に出発しました。
 登山口周辺は思いの外狭く。ようやく車を方向転換できる程度で、Uターンの事を考えると300mほど下ると、山側に路肩の広い場所があり、ここに止めた方が良さそうです。

 登山口を出発してすぐに川を渡ると、「傾山登山口」と書かれた看板が設置されていますが、増水時は渡れないことも考えられるので大雨の前後、大雨が予想される時は注意しましょう。登山口から5分程歩くと再び川を渡り、しばらくは杉林の中を歩きます。途中、林道を横断します。
 左側に川を見ながら杉林を進むと一度川に降り、ここは、川の合流点で川を分ける尾根を登っていきます。この辺りから登りが始まり次第に高度を稼ぎます。次第に勾配がきつくなり時折ロープが設置された場所もありますが、危険というより下山する際の滑り止めといった所です。地図の「6」地点では露岩でロープ伝いに登ると絶景となり大崩山方面が良く見えます。ロープが設置されたあたりで標高1,000mを越えた位で、ここまで概ね1時間でした。
 
 勾配はきついのですが、気持ちよい林床下の登山道で心なしかクッションも良好です。時折、足元にアケボノツツジの花びらが落ちています。今回、当ルートにソデ尾までロープが3ヵ所設置されていましたが、3番目のロープ(1,180m)を過ぎた辺りからアケボノツツジが綺麗に見え始め、時折ムシカリの花も咲いておりなかなかのコントラストです。
 
 登山口から約2時間、ソデ尾に到着。この辺りが本日一番アケボノツツジが賑やかな場所でした。サクラなどでもそうですが、満開だと少し色が褪せてしまいますが、5〜7分咲きが一番綺麗に見えるのと同じで、ソデ尾がまさにこの状態です。ここからしばらくはアケボノツツジを右に左に楽しみながら気持ちよい尾根道を進みます。標高が1,500m近くになると開花も少し遅れた感じで1,500mを越えるとほとんど蕾です。
 前回、冷水ルートでソデ尾から先を歩いたはずなのですが、雪の中だったため景色としては始めてで、新鮮な気持ちで歩きました。南側は時折、大崩山群方面が良く見えます。また、林の中にはミツバツツジもちらほらと見えます。
 
 山頂に9時前に到着。連休初日ということもありぼちぼちの人出で、登ってくる方向を見るとどうやら黒仁田方面からのようです。思いの外早く着いたので、靴を脱ぎ、ビールを飲みながらおにぎりを食べ、気がつくと寝ておりました。それにしても山頂先端部の岩の上から尾平方面を覗き込むと新緑が眩しく、なんとも気持ちよい一時を過ごしました。

 下りも、アケボノツツジを楽しみながら下っていきました。途中、ご夫婦3組(うち1組は縦走)、3名が本日すれ違った人数です。ソデ尾からは誰にも会いませんでした。
本ルートはこれまで歩いたルート中でも予想外に気持ちよく歩ける登山道でした。
 下山後、誰も来ないことを良いことに、川に降りてパンツ一枚で体を拭きました。

【本日の条件】
 @天気 晴れ   A気温 15度   B風 ぼちぼち   C荷物 20kg程度
 D距離 8.4km  E登った高さ 1100m(補正済)    F全行程 6時間(山頂の1時間の休憩含む)

【感じたこと】
 @危険な場所も少なく歩きやすいルート。但し、川の他に水の補給場所はありません。
 Aアケボノツツジはもう少し楽しめそうです。

【その他情報】
 @登山口の駐車スペースは狭いので、少し下の路肩の方が正解だと思います
 A最後の800mの未舗装部分は車高の低い車は厳しいかもしれません。
 B登山口、その周辺にはトイレ、水場がありません。 


     
本日のコースタイム (ただし、休憩時間抜きの時間です)  
 区 間 時間  コメント
1〜6   50  しばらくは杉林、林床地帯で、4地点あたりから登山道らしくなります
6〜8    60  このルートでは最も急登な区間です
8〜山頂    50  アップダウンを繰り返し、景色の良い登山道
標高はGPSルートを地図から読みとったので参考程度に。



(1)
 登山口。一番奥に車を止めればなんとかUターンするスペースが確保できます。




 (2)
 川を渡って見た駐車状況。2台が精一杯です。
 登っている間、もし、他の車が無理に止めていたら・・・とか考えると300mほど下のスペースに駐車した方が無難です。



 (3)
 登山口から川におりすぐに橋を渡ります。

 
(4)
 橋を渡り右(上流方向)に登山口の看板があり、矢印方向に杉林の中を進んでいきます。



 (5)
 5分もすると再度、川を渡ります。地図の2地点です。 
 


 (6)
 杉林の途中で林道を横断します。そこから少し進むと川におり川を分ける尾根を登っていきます。

 (7)
 結構、直登気味のコースです。

 (8)
 時折、ロープを設置した場所に出ます。地図の5地点です。
 少し、登るともう一ヵ所ロープを設置している場所があり、ここを登ると展望が良い露岩となります。


 (9)
 心地よい尾根道です。勾配もきつくなります。

 (10)
 (9)と同様です。道はふかふかしていて、不思議な感触でした。  



 (11)
 アケボノツツジを楽しみながら登路を見上げます


 (12)
 東傾山から来たルートとの合流点、「ソデ尾」です。
 点線が東傾山から来た道で、左が傾山方向となります。

 

 (13)
 同じくソデ尾で傾山方面に向いたところで、眺望も良く、当日はアケボノツツジも綺麗な場所で、しばし休憩した場所です。

 (14)
 (15)の少し手前です。かなり枯れた木も目立ちます。




 (15)
 9地点。このコース全体でスズタケが少なく景色も比較的良い場所でもあります。


 (16)
 傾山山頂手前のピークは大崩方面が良く見えます。山頂が賑やかすぎる場合はこのあたりで休憩するのも良いかもしれません。


(17)
 傾山山頂から見える九折越方面。新緑が中腹あたりまで登ってきています。



  (18)
 三坊主を撮ったのですが、気がつくと自分の足が・・・ 
 アケボノツツジ







祖母山頂手前・蕾





ソデ尾付近にて


ソデ尾にて